家庭で作文を添削するときのポイント|親が直しすぎないために大切な3つのこと

子どもの作文を家庭で見ていると、つい気になるところが目に入ります。

「ここは、こう書いた方が分かりやすいよ」

「この言葉は別の表現にしたら?」

「順番を入れ替えた方がいいんじゃない?」

親としては、少しでも良い作文にしてあげたい。

だからこその言葉です。

しかし、作文の添削で大切なのは、その作文を大人が完成させることではありません。

子ども自身が、

「次はこう書いてみよう」

と気づくことです。

家庭で作文を見るときは、直すことよりも「子ども自身が直せるようになること」を意識してみましょう。

作文の添削は「正解」に近づける作業ではない

算数なら、答えがあります。

漢字にも正しい書き方があります。

ところが、作文には一つの正解がありません。

同じ出来事について書いても、何を感じたのか、どこが印象に残ったのかは子どもによって違います。

そのため、親が自分の感覚で、

「こっちの表現の方がいい」

「こういう内容を書いた方が評価される」

と直していくと、いつの間にか子どもの作文ではなくなってしまいます。

特に気をつけたいのが、大人らしい文章に直しすぎることです。

小学生の作文なのですから、小学生らしい言葉があって当然です。

少し不器用でも、自分で考えて選んだ言葉には意味があります。

作文の添削では、「上手な文章にする」ことより、自分の考えを自分の言葉で表現する力を育てることを優先したいところです。

ポイント1 まず褒める

子どもの作文を読んだら、最初にできていないところを探すのではなく、できているところを見つけます。

「この場面、よく分かるね」

「ここは気持ちが伝わってきたよ」

「この表現、おもしろいね」

内容について褒めるところがすぐに見つからなければ、

「最後まで書けたね」

「字が丁寧だね」

でも構いません。

作文は、自分の考えを人に見せる学習です。

子どもにとっては意外と勇気がいります。

書いたものを見せた途端、

「ここがおかしい」

「これは違う」

「もっと具体的に書かないと」

と指摘が続けば、作文そのものが嫌になってしまうこともあります。

まず認める。

そのうえで、一緒に考える。

この順番が大切です。

ポイント2 指摘や修正は「一作文一箇所」にする

作文を見ると、直したいところはいくつも出てきます。

誤字がある。

主語と述語がおかしい。

同じ言葉を繰り返している。

段落が分かれていない。

具体例が足りない。

結論が弱い。

全部を一度に伝えたくなるかもしれません。

しかし、悪いところをいくつも指摘されても、子どもにはなかなか定着しません。

そこで家庭での添削では、基本的に

「一作文一箇所」

と考えてみてください。

今回の作文では、

「同じ言葉を続けないようにしてみよう」

次回は、

「気持ちを書いたあとに理由を加えてみよう」

というように、一つずつ課題を決めます。

一つのポイントに着眼点を置けば、子どもも次の作文で、

「ここは気をつけよう」

と意識できます。

作文力は、一回の添削で完成するものではありません。

一つ気づいて、次の作文で試す。

また一つ気づいて、書き直す。

その繰り返しで少しずつ身についていきます。

ポイント3 親が答えを言わず「自分の言葉」を引き出す

たとえば、子どもが、

「遠足は楽しかったです」

と書いていたとします。

親からすると、

「何が楽しかったの?」

と聞きたくなります。

これはとてもよい問いかけです。

しかし、そのあとに、

「友達とお弁当を食べたことを書けば?」

「山頂から見た景色のことを書いたら?」

と答えまで与えてしまうと、子ども自身が考える時間がなくなります。

そこで、

「一番覚えているのは何?」

「そのとき、どんな気持ちだった?」

「どうして楽しいと思ったの?」

と問いかけます。

子どもが、

「友達とお菓子を交換したのがおもしろかった」

と言ったなら、

「それ、書いてみたら?」

で十分です。

親が文章を作るのではなく、子どもの中にある言葉を引き出す。

これが家庭でできる大切なサポートです。

「〇〇と書いた方がいい」はできるだけ避ける

家庭で作文を見ていると、どうしても、

「これは〇〇と書いた方がいいんじゃない?」

と言いたくなります。

確かに、その方が文章としてはきれいになることがあります。

しかし、それを繰り返すと子どもは、

「作文とは、大人が喜ぶ正解を書くもの」

と考えるようになることがあります。

すると作文を書くたびに、

「これで合ってる?」

「何を書けばいい?」

と確認するようになります。

作文で育てたいのは、誰かの正解を当てる力ではありません。

自分で考え、自分の言葉で相手に伝える力です。

親は編集者ではなく、考えるための聞き役になる。

このくらいの距離感がちょうどよいでしょう。

書き直しは作文上達の大切な練習

一度書いた作文を直すことを嫌がる子もいます。

「もう書いたから終わり」

という感覚があるからです。

しかし、作文の上達には「書き直し」が欠かせません。

最初から完璧な文章を書く必要はありません。

まず書く。

一つ改善点を見つける。

そこを直してみる。

この経験によって、

「ここは分かりにくかったな」

「もう少し具体的に書けばよかったな」

と自分の文章を客観的に見る力が育っていきます。

だからこそ、直すところを増やしすぎないことも重要です。

原稿用紙が真っ赤になるほど指摘されたら、書き直す気持ちもなくなります。

一作文一箇所を意識して、焦らず一歩ずつ進む。

その積み重ねの方が、長い目で見れば作文力につながります。

添削の目的は「今回の作文を完成させること」ではない

家庭で作文を見るとき、どうしても目の前の作文をよくすることに意識が向きます。

しかし、本当に育てたいのは次の作文を書く力です。

今回、親が全部直して100点に近い作文を完成させても、次に一人で書けなければ力がついたとは言えません。

反対に、今回の作文にはまだ改善点が残っていても、

「次は具体的な出来事を書いてみよう」

と子ども自身が気づけたなら、大きな前進です。

作文の添削では、

完成度より成長を見る。

この視点を持っておくと、親も細かな表現に焦りすぎなくなります。

まとめ

家庭で作文を添削するとき、大切なのは大人が上手な文章に直すことではありません。

意識したいのは、次の3つです。

  1. まず褒める
  2. 指摘や修正は一作文一箇所にする
  3. 答えを教えず、子ども自身の言葉を引き出す

作文には一つの正解がありません。

だからこそ、親が「正しい文章」に直そうとしすぎると、子どもが自分の言葉で書く機会を奪ってしまいます。

作文は「焦りは禁物」です。

書いて、少し直して、また書く。

その繰り返しの中で、自分ではできなかったことに気づき、少しずつ書けるようになっていきます。

目の前の一作文を完璧にすることよりも、次の作文を子ども自身の力で少し良くすること。

家庭での添削では、その成長を支えていきましょう。

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