中学受験で過去問を始めると、保護者からよく出るのが、
「何年分やればいいですか?」
という質問です。
3年分でいいのか。5年分なのか。それとも10年分必要なのか。
もちろん、残された時間や受験校の数によって変わります。
ただ、目安をはっきりさせるなら、私は次のように考えています。
本命校は最低10年分。できれば15年分。
併願校は5〜6年分。
滑り止めの学校でも2年分。
そして本命校については、できれば2周目まで取り組みたいところです。
過去問は単に「力試し」をするためのものではありません。
その学校の入試を知り、合格点を取るための戦い方を身につける教材だからです。
本命校は最低10年分。できれば15年分
第一志望の学校であれば、最低でも10年分は取り組みたいと考えています。
可能なら15年分まで解けば、かなり準備できます。
なぜ、それほど多く解くのでしょうか。
学校ごとに入試問題には特徴があります。
問題量が多い。
記述問題が多い。
算数の特定分野がよく出る。
国語の文章が長い。
理科・社会で資料を多く使う。
もちろん、毎年まったく同じ問題が出るわけではありません。
それでも何年も続けて解いていくと、
「この学校は、こういう力を求めているんだな」
というものが見えてきます。
1〜2年分解いただけでは、それがその年だけの特徴なのか、学校の傾向なのか分かりません。
過去問を重ねる意味は、問題をたくさん解くことだけではないのです。
本命校は2周目までやりたい
本命校については、1回解いて終わりにするのではなく、できれば2周目にも取り組みたいところです。
一度解いた問題だから意味がない、と思うかもしれません。
しかし、2周目には別の意味があります。
1回目には時間が足りなかった。
解く順番を間違えた。
取るべき問題を落とした。
難問に時間をかけすぎた。
そうした経験を踏まえて、もう一度取り組みます。
すると、
「この問題は先に取ろう」
「ここは後回しにしよう」
「この大問には時間をかけすぎないようにしよう」
といった判断ができるようになります。
これは、単なる問題演習ではありません。
その学校の入試で点を取る練習です。
時間がなければ、2周目は全部やらなくていい
とはいえ、秋以降の6年生は忙しくなります。
通常授業もある。
模試もある。
他校の過去問もある。
苦手分野の復習もしなければならない。
本命校10〜15年分をすべて2回解こうとすると、時間が足りなくなることもあります。
そんなときは、2周目を全部やる必要はありません。
科目や問題を選びましょう。
たとえば、
算数だけもう一度解く。
国語の記述問題だけやり直す。
1回目に時間配分を失敗した年度をもう一度解く。
合否を分けそうな問題だけ解き直す。
という方法があります。
大切なのは「2周した」という実績を作ることではありません。
1回目で見つかった課題を、2回目で修正できるようにすることです。
併願校は5〜6年分を目安にする
本命校以外の併願校については、5〜6年分を一つの目安にします。
これだけ取り組めば、問題構成や時間配分、学校ごとの特徴もある程度つかめます。
ここでも大切なのは、単純に年度数をこなすことではありません。
「この学校なら、どの科目で点を取るのか」
「時間が厳しい科目はどれか」
「自分にとって相性の悪い問題は何か」
を確認します。
9月8日の記事でも触れましたが、中学受験は受験科目全体で合格点を作ることが重要です。
過去問を重ねながら、その学校での自分なりの合格パターンを作っていきます。
滑り止めでも2年分は解いておきたい
注意したいのが、
「この学校なら大丈夫だから、過去問はやらなくてもいい」
という考え方です。
いわゆる滑り止めとして受験する学校でも、私は2年分程度は解いておくことをすすめます。
実力的には十分合格圏に入っていたとしても、学校によって問題形式は違います。
問題数。
試験時間。
解答用紙。
記述の量。
問題の並び方。
初めて見る形式では、本番で戸惑うことがあります。
まして入試当日は緊張します。
「滑り止めだから、過去問を一度も見ずに受験する」ことは避けたいところです。
2年分でも実際に解いておけば、その学校の試験を一度経験した状態で本番を迎えられます。
受験校が多いなら優先順位をつける
本命校10〜15年分、併願校5〜6年分、滑り止め2年分。
そう聞くと、
「そんなに全部できるの?」
と思うかもしれません。
受験校が多ければ、当然すべてを同じように扱うことはできません。
だからこそ、優先順位をつけます。
本命校に最も時間を使う。
ここが基本です。
すべての学校を均等に5年ずつ解くより、本命校を十分に研究し、そのうえで併願校、滑り止めへと時間を配分する方がよいでしょう。
過去問の年度数は「何年やれば正解」というノルマではありません。
志望順位によって、かける時間を変えていいのです。
まとめ
中学受験の過去問に取り組む年数の目安は、
本命校:最低10年分、できれば15年分
併願校:5〜6年分
滑り止め:2年分
と考えています。
さらに本命校は、できれば2周目にも取り組みます。
時間がなければ、2周目は全科目・全問題をやり直さなくても構いません。
科目や問題を選び、1回目で見つかった課題を修正します。
そして、滑り止めだからといって過去問をまったく解かないのはおすすめしません。
過去問は「何年分終わったか」を競うものではありません。
その学校を知り、自分なりの「合格点の取り方」を身につけるために使うものです。
本命校ほど深く。
併願校は必要な量を。
滑り止めでも最低限の準備をする。
受験校の優先順位に合わせて、過去問にかける時間を変えていきましょう。
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