中学受験の6年生になると、秋から本格的に過去問に取り組む家庭が増えてきます。
ところが、初めて志望校の過去問を解いてみると、
「合格最低点に全然届かない」
「今までの模試よりずっと点数が低い」
「この学校を受けても大丈夫なのだろうか」
と、不安になることがあります。
でも、最初の過去問で点が取れなくても、必要以上に心配することはありません。
最初は点数が取れないもの。
まずは、それくらいに考えておいてよいと思います。
塾のテストと入試問題は、まったく違う
塾のテストでは、ある程度の範囲が決まっています。
授業で習った単元を復習し、宿題をして、テストに備える。
問題も基礎から応用へと、ある程度整理された形で出題されます。
一方、本番の入試問題は違います。
何が出るかは分かりません。
習った単元がバラバラに出てきますし、複数の知識を組み合わせなければ解けない問題もあります。
私はよく、入試問題は「ゲリラ戦」のようなものだと考えています。
どこから問題が出てくるか分からない。
しかも、制限時間の中で「解く問題」と「後回しにする問題」を自分で判断しなければなりません。
これまで塾のテストで点数を取れていた子でも、最初は戸惑って当然です。
過去問は「今の実力を判定するテスト」ではない
初めて過去問を解いて点数が低いと、
「この学校には実力が足りない」
と考えてしまいがちです。
しかし、秋の段階で過去問を解く目的は、それだけではありません。
むしろ大切なのは、その学校でどうやって合格点を取るのかを知ることです。
どんな問題が出るのか。
どのくらいの量なのか。
時間配分はどうするのか。
自分はどこで点を取れそうなのか。
こうしたことは、実際の入試問題を解いてみなければ分かりません。
過去問を解くこと自体が、入試問題への練習になっていきます。
まず見るのは「4科合計で合格最低点に届くか」
過去問を見るとき、科目ごとの点数だけで一喜一憂しないことも大切です。
中学受験は、基本的には総合点で合否が決まります。
算数が苦手だからといって、算数だけで合格者平均点を取らなければならないわけではありません。
反対に、得意な国語や社会で点数を稼ぐこともできます。
最終的に考えたいのは、
「受験科目の合計で、どうやって合格最低点を超えるか」
です。
そのための一つの目安として、私は、
得意科目は合格者平均点、苦手科目は受験者平均点
を意識するとよいと考えています。
全科目で高得点を目指すのではなく、自分なりの「合格点の作り方」を考えるのです。
1回目の点数より「なぜ取れなかったか」
たとえば算数で30点しか取れなかったとしても、その「30点」だけを見ても、次に何をすればよいかは分かりません。
計算ミスが多かったのか。
時間が足りなかったのか。
解ける問題を飛ばしてしまったのか。
特定の単元が弱かったのか。
難しい問題に時間を使いすぎたのか。
原因によって、次にすることは変わります。
過去問は、点数をつけて終わりではありません。
答案には、これから合格に近づくための材料が詰まっています。
だからこそ、最初の点数が低いことよりも、「次に何を変えるか」の方が重要です。
親が最初の点数に驚かない
過去問を始めたばかりの時期に、意外と大切なのが親の反応です。
子ども自身も、志望校の問題を解いて点数が取れなければ不安になります。
そこで親から、
「こんな点数で大丈夫なの?」
「合格最低点に全然届いていないよ」
と言われれば、過去問に取り組むこと自体が怖くなってしまいます。
最初から点が取れない可能性があることを、親の方が先に知っておきましょう。
そして、
「ここから、どうやって合格点を作っていくか考えよう」
と見ていく。
秋の過去問は、合否を決めるためではなく、本番までに合格できる形へ近づけていくための教材でもあります。
まとめ
初めて志望校の過去問を解いて、合格最低点に届かなくても、それだけで志望校を諦める必要はありません。
塾のテストと実際の入試問題は違います。
最初は、入試特有の問題の出方や時間配分に戸惑うのが普通です。
大切なのは、最初の点数ではありません。
過去問を通して「自分はどうやって合格点を取るのか」を覚えていくことです。
得意科目では合格者平均点を狙い、苦手科目では受験者平均点を確保する。
そして、受験科目全体で合格最低点を超える。
過去問は、今の能力に合格・不合格の判定を下すものではなく、「合格点の作り方」を学ぶための教材だと考えてみてください。
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