作文で何を書けばいいかわからない子へ|自由に書く前に知っておきたい「型」

文の宿題を前にして、

「何を書けばいいかわからない。」

と手が止まってしまう子は少なくありません。

テーマは出されている。

原稿用紙も用意している。

それでも、いざ書こうとすると何も浮かばない。

そんな姿を見ると、保護者は、

「自由に書けばいいんだよ。」

「思ったことを書けばいいんだよ。」

と声をかけたくなるかもしれません。

しかし、作文に慣れていない子にとって、「自由に書く」という言葉は、かえって難しく感じることがあります。

何をどこまで書いてよいのか。

どんな内容なら作文になるのか。

その基準が分からないままでは、自由に書くことはできません。

作文が書けない子にまず必要なのは、自由さではなく「型」です。


字数を意識しすぎると書けなくなる

作文を書くとき、

「400字以上書きなさい。」

「原稿用紙2枚で書きましょう。」

と言われることがあります。

もちろん、指定された字数を守ることは大切です。

しかし、作文に慣れていない子にとって、字数は大きなプレッシャーになります。

「そんなに書けない。」

「何を書けば埋まるの。」

と感じてしまい、書き始める前から止まってしまうのです。

作文は、最初から字数を埋めようとすると苦しくなります。

まず考えるべきなのは、何文字書くかではありません。

何について書くか。

どんな順番で書くか。

その土台を作ることです。

型があると、子どもは「ここには体験を書く」「ここには気持ちを書く」と分かるようになります。

すると、字数はあとから自然についてきます。


何を書くべきかを選ぶ基準が必要

作文が苦手な子は、題材がまったくないわけではありません。

むしろ、思い出せることはたくさんある場合もあります。

ただ、その中から何を書けばよいのかを選べないのです。

作文の題材として使いやすいのは、次のようなものです。

自分の気持ちや考えが変わった体験。

実際に自分が経験したこと。

できれば、直近1〜2年以内の出来事。

このような体験は、具体的に書きやすく、自分の意見にもつなげやすくなります。

反対に、見聞きしただけの話や、誰かから聞いた話だけでは、自分の気持ちを深く書きにくいことがあります。

作文では、立派な出来事を書く必要はありません。

大切なのは、自分が実際に経験し、そこから何を考えたかです。


作文に「正解」を求めすぎない

受験勉強に慣れている子ほど、作文でも正解を探そうとすることがあります。

「先生が喜びそうなことを書かなければ。」

「大人に評価される内容にしなければ。」

そう考えすぎると、自分の言葉が出てこなくなります。

作文は、算数のように一つの正解を出す問題ではありません。

もちろん、課題に合っているか、筋道が通っているかは大切です。

しかし、作文で本当に見られるのは、

自分の考えを持っているか。

その考えを相手に伝えようとしているか。

事実と意見を分けて書けているか。

という部分です。

何となくきれいな答えを書くよりも、自分の体験をもとに考えたことを書く方が、読み手には伝わります。


作文には「型」がある

「作文は自由に書くもの」と思われがちですが、実は作文には型があります。

たとえば、

最初に自分の考えを書く。

次に、その理由を書く。

その理由につながる体験を書く。

最後にもう一度、自分の考えをまとめる。

この流れを知っているだけで、作文はずっと書きやすくなります。

型があると、自由がなくなるわけではありません。

むしろ、どこまで自由に書いてよいのかが分かるようになります。

何もかも自由だと、子どもはどうすればよいのか戸惑います。

でも、型があれば、

「ここには自分の意見を書く。」

「ここには体験を書く。」

「ここでは感じたことを書く。」

と考えやすくなります。

作文が得意な子は、毎回ひらめきだけで書いているわけではありません。

自分なりの型を持っているから、迷わず書き始められるのです。


保護者は「何を書いたらいいの?」を一緒に整理する

子どもが作文で止まっているとき、

「とにかく書いてみなさい。」

と言っても、動けないことがあります。

そんなときは、書く前に少し会話をしてみてください。

「最近、心に残ったことはあった?」

「そのとき、どんな気持ちだった?」

「前と考えが変わったことはある?」

「その体験から、何を伝えたい?」

こうした問いかけを通して、子どもの中にある材料を一緒に整理していきます。

保護者が作文の文章を作ってしまう必要はありません。

むしろ、大人が整えすぎると、子ども自身の作文ではなくなってしまいます。

大切なのは、子どもが自分の言葉を見つけられるように手伝うことです。


まとめ

作文で何を書けばいいかわからない子は、考える力がないわけではありません。

書くための基準や型をまだ知らないだけということが多くあります。

字数を埋めることから始めない。

自分の体験をもとに題材を選ぶ。

作文に正解を求めすぎない。

そして、作文には型があることを知る。

この順番で整理すると、子どもは少しずつ書き始められるようになります。

作文は、自由に書く前に、まず型を知ることが大切です。

型を身につけることで、自分の考えを安心して表現できるようになります。


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