中学受験を考え始めると、
「早く始めた方が有利ですか」
とよく聞かれます。
でも、長く現場で子どもたちを見てきた実感として、早く始めたから合格しやすくなるとは思っていません。
これは私だけの感覚でもありません。
ベテラン講師や、大手塾で長く統括をしていた人と話しても、
「早く始めたこと自体が、最後の合否を決めるわけではない」
という点は共通していました。
むしろ、早く始めたことで起きる問題も、現場では何度も見てきました。
見たことのある問題はできる。でも少し変わると止まる
低学年からたくさんの問題を解いている子は、解法をよく知っています。
「この形ならこの解き方」
と、すぐ反応できる。
ところが、問題の見せ方を少し変える。
条件を一つ変える。
初めて見る形式にする。
すると、急に止まる子がいます。
型は覚えている。でも、自分で考えることには慣れていない。
これは実際に指導していると分かります。
問題量をこなしているから一見よくできる。
でも、本当に差がつく問題では柔軟性が出ない。
低学年から正解やスピードを求めすぎることの怖さは、ここにあります。
小6で「伸び切ったゴム」のようになる子もいる
もう一つ、現場で何度も見てきたのが、
早くから頑張りすぎて、小6で伸びなくなる子
です。
幼児教育から始まり、
低学年から塾。
先取り。
テスト。
宿題。
ずっと真面目に走ってきた。
ところが、いよいよ一番頑張ってほしい小6になった頃に、
気持ちが乗らない。
新しいことへの反応が薄い。
言われたことはやるけれど、自分からは動かない。
少し強い言い方ですが、
伸び切ったゴムのようになっている。
そう感じる子は実際にいます。
一方で、小4や小5では目立たなくても、授業を受けるたびに吸収し、小6で一気に伸びる子もいます。
中学受験は、スタートの早さだけでは決まりません。
低学年だからこそ、遠回りできる
低学年の大きな強みは、まだ時間があることです。
分からない問題を5分考える。
10分考える。
別の方法を試す。
間違える。
また考える。
こういう遠回りができます。
高学年になると、宿題や模試が増え、どうしても効率を求められます。
だからこそ低学年では、
先へ進むことより、自分で考える時間を残す。
こちらを大切にしたいと思います。
今日から親ができること
まず一つだけです。
子どもが考えている途中で、すぐ答えを教えない。
親から見れば、答えは分かる。
だから言いたくなる。
でも少し待つ。
「どう考えた?」
「ほかの方法はないかな?」
と聞いてみる。
正解まで連れていかなくていい。
低学年で作りたいのは、完成された受験生ではありません。
あとから大きく伸びられる子です。
まとめ
長く中学受験の現場にいると、
早く始めた子がそのまま最後まで強いわけではないことが分かります。
型にはまる子もいる。
小6で疲れ切る子もいる。
逆に、後から一気に伸びる子もいる。
だから低学年では、
「何年先まで進んだか」より、「自分で考えられるか」。
先取りを急ぐより、考える余白を残す。
それが、受験学年になったときの伸びにつながると私は思っています。
あわせて読みたい
・小学4年生の中学受験|まだ「入口の入口」。最初からフルスロットルにしない
・中学受験は早く始めれば勝ち、ではない|大切なのは「いつ始めるか」より「いつ伸びるか」
・小3・小4で教えすぎない|小5・小6になる前に手を放す
無料|サクラサク中学受験診断
早くから力を出せる子もいれば、少し時間をかけて伸びる子もいます。
サクラサク中学受験診断では、24問の質問から、お子さまの強みやつまずき、家庭での関わり方のヒントを整理できます。
約3分、会員登録不要、無料で診断できます。
