小3・小4で教えすぎない|小5・小6になる前に手を放す

中学受験では、家で親が勉強を教えている家庭があります。

特に小3・小4のうちは、まだ内容もそれほど難しくありません。

親も理解できる。

子どもも比較的、親の言うことを聞く。

だから、

「分からないなら教える」

「間違えたら横で直す」

という形でも、家庭学習は回ります。

でも、私はこの時期こそ、少しずつ手を放す準備をした方がいいと思っています。

一番の問題は、感情が入ること

親が我が子を教えると、どうしても感情が入ります。

「さっき教えたよね」

「なんで分からないの」

「こんなところで間違えていて大丈夫?」

他人の子なら冷静に見られても、我が子になると難しい。

期待している。

心配している。

だからこそ、言い方が強くなる。

私は塾講師ですが、それでも我が子を教えるのは難しいと思っています。

教え方を知っているかどうかとは別の話です。

親子だからこそ、適切な距離を保つのが難しい。

ここが大きいです。

教えられる親ほど、つい教えすぎる

特に算数が得意な父親などは、

「自分が教えた方が早い」

と思いやすいところがあります。

実際、教えられるでしょう。

問題も解ける。

もっと簡単な方法も知っている。

でも、

教えられることと、教えるべきことは同じではありません。

子どもが考えている途中なのに、先に答えを言う。

少し詰まっただけでヒントを出す。

間違えたらすぐ横から直す。

これが続くと、

子どもが自分で考える時間は減っていきます。

塾と違う教え方は、子どもを混乱させる

もう一つ大きな問題があります。

家庭での教え方と、塾での教え方が違うことです。

典型的なのが、受験算数に方程式を持ち込むこと。

大人から見れば、

「xを使えば簡単」

と思う問題があります。

中学数学を知っている大人なら、なおさらです。

でも、子どもは塾で受験算数の考え方を習っています。

比。

線分図。

面積図。

つるかめ算。

和差算。

そうした考え方を使って問題を解いている。

そこへ家庭で、

「そんなやり方より、方程式にすればいい」

と別の方法を持ち込む。

大人には合理的でも、子どもには混乱のもとになることがあります。

先生のやり方と、家のやり方が違う。

そのたびに頭の中で整理しなければならない。

本番で必要なのは、

自分が普段使っている方法で、安定して解けること。

です。

小3・小4は、うまくいっているように見える

小3・小4のうちは、親が教えてもうまく回りやすいです。

内容がまだ理解しやすい。

子どもも素直に聞く。

だから、

「うちは家で教えているから大丈夫」

と思いやすい。

でも、その形がずっと続くとは限りません。

むしろ、ここが落とし穴です。

小3・小4で親が全部教えてしまうと、

「分からなければ親に聞けばいい」

という学習習慣ができてしまうことがあります。

自分でテキストを見る。

先生に質問する。

一度考え直す。

そうした経験が減っていきます。

小5・小6になると、状況は変わる

小5・小6になると、学習内容は一気に高度になります。

算数なら、

親自身が問題を理解するだけで精いっぱいになることもあります。

国語も、

単に答え合わせをするだけでは見られなくなる。

理科や社会も内容が増えます。

そして、もう一つ。

子ども自身も成長します。

小3・小4の頃のように、

親の言うことを何でも素直に聞くとは限りません。

反抗期に入る子もいます。

すると、

「今までは教えられたのに、急に言うことを聞かなくなった」

ということが起きます。

でも、これは自然な流れでもあります。

そこで急に「自分でやりなさい」は難しい

問題は、その時点で初めて手を放そうとすることです。

ずっと親が横についてきた。

分からなければ親が教えてきた。

勉強の進め方も親が決めてきた。

それなのに、小5・小6になって、

「もう自分でやりなさい」

と言われても、簡単には切り替わりません。

自立は、ある日突然できるものではないからです。

教えられるうちに、手を放す

だから大切なのは、

親が教えられなくなってから手を放すのではない。

ということです。

まだ教えられる小3・小4のうちから、

少しずつ自分で考えさせる。

分からなければ先生に聞かせる。

テキストを自分で見直させる。

すぐに正解を教えない。

必要なところだけ支える。

そうやって、少しずつ学習の主体を子どもに移していく。

これが必要です。

親の役割は、先生になることではない

もちろん、親が何もしなくていいわけではありません。

生活リズムを整える。

学習環境をつくる。

困っていそうなら声をかける。

必要なら塾と連携する。

親にしかできないことはたくさんあります。

でも、

勉強そのものを全部教えることが、親の役割ではありません。

親が先生になろうとしすぎない。

先生に任せるところは任せる。

その方が、親子関係も保ちやすい。

中学受験の先まで考える

中学受験はゴールではありません。

中学生になり、

高校生になれば、

親が教えられる範囲はさらに狭くなります。

そのときに必要なのは、

分からないときに自分で動けること。

質問できること。

調べられること。

考え直せること。

そういう力です。

だからこそ、

小学生のうちに少しずつ自立させる。

その準備は、早い方がいいと思います。

まとめ

小3・小4のうちは、親が教えられます。

子どもも言うことを聞きます。

だからこそ、教えすぎてしまいやすい。

でも、小5・小6になると、

内容は難しくなる。

子どもも成長する。

親子の距離も変わる。

そこで初めて手を放そうとしても、うまくいかないことがあります。

親が教えられなくなってから手を放すのでは遅い。
教えられるうちに、少しずつ手を放す。

中学受験の先まで考えるなら、その方がずっと大切だと思います。

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