適性検査の作文が書けない子へ|型より先に「自分の中の材料」を増やしたい

公立中高一貫校の適性検査では、作文や記述問題が出されることがあります。

そこで、

「何を書けばいいか分からない」

「最初の一文で止まってしまう」

「理由は思いつくけれど、具体例が出てこない」

という子もいます。

こういうとき、文章の「型」を覚えることは役に立ちます。

ただ、私は型だけでは足りないと思っています。

なぜなら、型は文章の形を整えることはできても、

中に入れる材料までは作ってくれない

からです。

適性検査の作文では、普段から何に興味を持ち、何を考え、どんな経験をしてきたかがものをいいます。

作文は、型だけ覚えても書けない

たとえば、

「私は〇〇だと考えます」

「なぜなら〇〇だからです」

「私は以前、〇〇という経験をしました」

という型を覚えたとします。

これは便利です。

でも、

「〇〇」の中に入れるものがなければ、文章は書けません。

つまり必要なのは、

型+自分の中にある材料

です。

どちらか一つだけでは弱いのです。

趣味や興味で抜きんでたものがある子は強い

適性検査の作文では、何でも広く知っている子だけが強いわけではありません。

むしろ、

自分の中に、深く語れるものを持っている子

は強いです。

昆虫が好き。

野球が好き。

電車が好き。

歴史が好き。

料理が好き。

自然が好き。

何でも構いません。

一つのことに強く興味を持っている子は、その中でたくさんの経験をしています。

失敗したこと。

工夫したこと。

悔しかったこと。

うれしかったこと。

人と協力したこと。

自分で調べたこと。

こうした経験が、作文の材料になります。

テーマに合わせて、自分の経験を変形させる

適性検査の作文では、毎回同じテーマが出るわけではありません。

「協力」

「努力」

「工夫」

「ルール」

「環境」

「人との関わり」

さまざまなテーマが出ます。

でも、自分の中に一つ深い経験があれば、それをテーマに合わせて変形して使うことができます。

たとえば野球が好きな子なら、

「協力」というテーマならチームで声を掛け合った経験。

「努力」なら苦手なプレーを練習した経験。

「工夫」なら自分なりに練習方法を変えた経験。

同じ経験でも、見る角度を変えれば使い方は変わります。

大切なのは、

たくさんの模範作文を覚えることではなく、自分の経験をどう使うか考えられること

です。

趣味は、受験と関係ないものではない

中学受験が近づくと、

「そんなことをしている時間があるなら勉強を」

と思うこともあるかもしれません。

でも、適性検査を考えると、趣味や興味のあることに深く取り組む経験は決して無駄ではありません。

自分で調べる。

比べる。

工夫する。

疑問を持つ。

失敗する。

また試す。

人に説明する。

こうしたことは、そのまま思考力につながります。

そして作文では、その経験が自分の言葉になります。

机の上だけで得た知識よりも、

自分で経験して考えたことの方が、強い文章になる

ことがあります。

最初は型を使って整理する

もちろん、考えや経験があっても、それを文章にできなければ困ります。

そこで型を使います。

最初は、

① 自分の考え
② その理由
③ 自分の経験や具体例
④ 最後のまとめ

くらいで十分です。

まずは考えを整理する。

そのあと、自分の経験を当てはめる。

そして最後に、テーマに合わせてまとめる。

型は、自分の考えを整理するための道具です。

型そのものが作文の答えではありません。

親が経験を選ばない

ここでも、親は少し距離を取りたいところです。

「そのテーマなら、あの旅行のことを書けば?」

「この経験を使った方がいいよ」

と親が決めてしまうと、確かに作文は早く完成します。

でも、それでは子ども自身が、

「自分の経験の中から何を使うか」

を考える機会がなくなります。

親は、

「どんな経験が使えそう?」

「似たことはなかった?」

と考えるきっかけをつくるくらいでよいと思います。

材料を選ぶのも、できるだけ子ども自身に任せたいところです。

普段の生活そのものが作文の準備になる

作文が上手になるために、作文ばかり書く必要はありません。

むしろ、

何かに夢中になる。

知らないことを調べる。

自分でやってみる。

失敗する。

人と話す。

考える。

そうした日常の経験が、作文の材料になります。

適性検査では、

普段どんなふうに物事を見て、どんなふうに考えてきたか

が文章に表れます。

だからこそ、机の上の作文練習だけで完成させようとしない方がよいと思います。

まとめ

適性検査の作文が書けないとき、型を覚えることは役に立ちます。

でも、型だけでは足りません。

本当に大切なのは、

自分の中に書く材料を持っていること。

特に、趣味や興味で深く取り組んでいるものがある子は強いです。

その経験を、

協力。

努力。

工夫。

失敗。

成長。

さまざまなテーマに合わせて変形して使うことができます。

そして型は、その材料を整理するために使う。

親は考え方を理解する。

でも、経験を選んだり、文章を作ったりはしない。

最終的には、

自分の経験を、自分で選び、自分の言葉で書く。

そこまでできるようになることが、適性検査の作文では大切だと思います。

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