公立中高一貫校の適性検査では、グラフや表、地図、会話文など、いくつもの資料を使った問題がよく出されます。
見た目は複雑です。
ですが、大人が落ち着いて解いてみると、特別な知識や特殊な解法が必要な問題ばかりではありません。
計算が必要な問題もありますが、その計算自体はそれほど難しくないことが多いです。
では、なぜ子どもは苦戦するのでしょうか。
私は、適性検査の資料問題で大きな敵になるのは、
「めんどくさい」
という感覚だと思っています。
一つひとつは難しくない。でも、やることが多い
資料問題では、
- 問題文を読む
- 必要な資料を探す
- 数字を比べる
- 必要なら計算する
- 条件を整理する
- 複数の資料をつなげる
- 自分の言葉で書く
といった作業が続きます。
一つひとつは、それほど難しくありません。
ただし、手間がかかります。
そして子どもは、面倒になると必要な作業を飛ばしてしまいます。
問題文を最後まで読まない。
単位を確認しない。
計算を途中で省く。
資料を一つしか見ない。
つまり、
分からないのではなく、やるべきことを最後までやっていない。
そんなケースも少なくありません。
適性検査に向くのは、一つひとつを丁寧に積み上げられる子
適性検査では、一発のひらめきよりも、
必要な作業を一つずつ丁寧に積み上げる力
が大切です。
問題文を読む。
資料を見る。
数字を比べる。
必要なら計算する。
条件を整理する。
最後に自分の言葉でまとめる。
こうした作業を面倒がらず、淡々と続けられる子は、やはり適性検査に向いていると感じます。
逆に、分かっているつもりで途中を飛ばしたり、早く答えを出そうとしたりすると、思わぬところで失点します。
適性検査では、器用さよりも丁寧さが強みになる場面が多いのです。
たとえば、こんな問題です
たとえば、人口の変化を示すグラフと、ある地域の産業に関する表が並んでいる問題があったとします。
設問では、
「資料1と資料2をもとに、この地域で起きている変化について説明しなさい」
と聞かれています。
この場合、
まずグラフから人口の増減を見る。
次に表から産業の変化を見る。
必要なら数字を比べたり、割合を計算したりする。
そして、
「人口の変化と産業の変化にはどのような関係がありそうか」
を考える。
最後に、自分の言葉でまとめます。
大人から見ると、特別難しい作業ではありません。
でも、子どもにとっては、
読む、探す、比べる、計算する、考える、書く
という作業が続きます。
ここで、
「長いな」
「めんどくさいな」
と途中を飛ばすと、答えまでたどり着けません。
だからこそ、適性検査では地道な作業を省略しないことが大切になります。
「難しいから解けない」とは限らない
資料問題が解けなかったとき、
「この子は資料問題が苦手だ」
とすぐに決めつける必要はありません。
実際には、
- どの資料を見るか決めていない
- 比べるべき数字を見落としている
- 必要な計算をしていない
- 問われている条件を整理していない
というだけのこともあります。
つまり、能力の問題ではなく、
考えるための手順を省略している
だけかもしれません。
ここを見極めることが大切です。
「丁寧に積み上げる力」は育てられる
では、こうした力はもともとの性格なのでしょうか。
私は、そうは思いません。
もちろん、もともと丁寧に取り組める子もいます。
でも、
「問題文を最後まで読む」
「必要な数字を確認する」
「計算を飛ばさない」
「途中式を書く」
「最後まで答えを書く」
こうしたことは、日々の学習の中で少しずつ身につけていけます。
適性検査のために特別なことをするというより、
普段から一つひとつの作業を雑にしない。
その積み重ねが、結果として適性検査にもつながります。
親は考え方を理解する。でも、介入しない
家庭では、
「この問題では何を見るのか」
「どこで手順を飛ばしやすいのか」
という考え方は、親も理解しておいた方がよいと思います。
ただし、
「ここを見なさい」
「この数字を使いなさい」
「次はこれを計算して」
と、親が答えまでの道筋を作ってしまうのは避けたいところです。
適性検査で必要なのは、
初めて見る問題を前に、自分で何をすべきか考える力
だからです。
親は考え方を理解する。
でも、実際に考え、手を動かし、迷いながら進めるのは子ども。
この距離感を大切にしたいと思います。
「めんどくさい」を越えられるか
適性検査では、難しい知識を知っているか以上に、
手間のかかる作業を途中で投げずに続けられるか
が大切です。
長い問題文を読む。
いくつかの資料を見る。
数字を拾う。
必要なら計算する。
条件を整理する。
最後まで書く。
正直、子どもにとってはめんどうです。
でも、
めんどうだから飛ばす
のではなく、
めんどうでも必要だからやる
という姿勢が身についてくると、適性検査での安定感も変わってきます。
まとめ
適性検査の資料問題は、必ずしも特別に難しい知識や高度な計算が必要なわけではありません。
むしろ大切なのは、
一つひとつの作業を丁寧に積み上げられるかどうか。
問題文を読む。
資料を見る。
数字を比べる。
必要なら計算する。
条件を整理する。
最後まで書く。
こうした作業を雑に飛ばさず、淡々と続けられる子は、適性検査で力を発揮しやすいと思います。
そして、この力は適性検査のためだけのものではありません。
面倒なことでも必要なことを一つずつ進める。
自分で考え、自分で手を動かし、最後までやり切る。
そうした力は、受験の先でも役に立ちます。
親は、その考え方を理解する。
ただし、代わりに解かない。
適性検査の学習も、最終的には子どもが自分で考え、自分で進められる力を育てるものでありたいと思います。
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