作文はどんな力を育てる?小学校高学年で身につけたい4つの力

作文というと、

「文章を上手に書くための練習」

というイメージを持つ方も多いかもしれません。

学校の宿題や読書感想文、適性検査など、「書かなければならないから作文をする」という場面も多くあります。

しかし、作文を学ぶ意味は、きれいな文章を書けるようになることだけではありません。

作文では、自分が何を考えているのかを整理し、それを相手に伝わる形に組み立てていきます。

その過程で育つ力は、作文以外の学習や日常生活にもつながっています。

特に小学校高学年では、

自分の意見を持つ力。
相手に伝える力。
事実と意見を区別する力。
論理的に考える力。

この4つを意識してみましょう。

① 自分の意見を持つ力

作文の基本は、自分の意見を示すことです。

作文を書くときには、

「自分はどう思うのか」

「なぜそう思うのか」

を考えなければなりません。

ここで大切なのは、何となくきれいな答えを書くことではありません。

大人が喜びそうな答えを探す必要もありません。

まず、

自分はどう考えているのか。

そこを自分自身で考えることが作文の出発点です。

普段は何となく感じていることでも、文章にしようとすると、

「私は本当はどう思っているんだろう」

と立ち止まって考えることになります。

作文を書くことそのものが、自分の意見を考える練習になるのです。

② 自分の意見を相手に伝える力

自分の考えがあっても、それだけでは作文にはなりません。

次に必要なのが、相手に伝わるように組み立てる力です。

作文では、

どの順番で書くのか。

どこで段落を変えるのか。

最初に何を伝え、最後に何をまとめるのか。

といった構成を考えます。

たとえば、自分では話がつながっているつもりでも、読む人には分かりにくいことがあります。

そこで、

「最初に結論を示した方がいいかな」

「この体験を先に説明しよう」

「理由を書いてから具体例を入れよう」

と考えます。

これは作文だけの技術ではありません。

人に何かを説明するときや、自分の考えを話すときにも役立ちます。

作文で文章の構成を考えることは、伝える力を育てる練習でもあります。

③ 「事実」と「意見」を区別する力

作文で意外と重要なのが、事実と意見を分けることです。

たとえば、

「学校で○○という出来事があった」

というのは事実です。

一方で、

「私はその出来事を見て○○だと思った」

というのは意見です。

この二つが混ざってしまうと、読み手は、

「実際に起きたことなのか」

「書いた人がそう考えているだけなのか」

が分かりにくくなります。

作文の基本は「人に伝える」ことです。

だからこそ、

何が事実で、何が自分の考えなのか

を整理する必要があります。

これは作文だけでなく、ニュースやインターネット上の情報を読むときにも大切な力です。

書く側になる経験をすることで、読むときにも、

「これは事実なのか、それとも意見なのか」

と考えられるようになります。

④ 論理的に考える力

作文では、

「私はこう思います」

だけでは十分ではありません。

そこに、

「なぜなら」

が必要になります。

たとえば、

「私は地域の清掃活動に参加することは大切だと思います」

と書いたのであれば、

なぜそう考えたのか。

どんな経験があったのか。

そこから何を学んだのか。

と話をつなげていきます。

意見 → 理由 → 具体例 → 結論

というように文章を組み立てることで、考え方そのものも整理されていきます。

作文を書いていて、

「理由がうまく書けない」

となったときは、文章力だけの問題とは限りません。

自分の中でも、まだ考えが整理されていないことがあります。

書くことで、

「なぜ自分はそう考えたのだろう」

ともう一段深く考える。

この繰り返しが、論理的に考える力につながります。

「きれいな作文」を書くことが目的ではない

作文指導をしていると、どうしても、

誤字脱字をなくす。

表現をきれいにする。

文章を上手にする。

といったところに目が向きがちです。

もちろん、それらも大切です。

しかし、作文を学ぶ目的を「きれいな文章を書くこと」だけにしてしまうと、本来育てたい力を見失ってしまいます。

作文を書くことで、

自分の意見を持つ。

その理由を考える。

事実と意見を整理する。

相手に伝わるように組み立てる。

こうした力を育てていくことに意味があります。

だから、最初から完璧な作文を書く必要はありません。

まずは、自分で考えて、自分の言葉で書いてみることです。

作文力は作文だけに使う力ではない

作文で身につく力は、国語の授業だけで使うものではありません。

人に説明する。

自分の意見を述べる。

資料を見て考える。

情報を整理する。

理由をつけて判断する。

どれも、さまざまな学習や日常生活の中で必要になります。

もちろん、公立中高一貫校の適性検査で求められる記述力や思考力にもつながります。

しかし、受検のためだけに身につけるものでもありません。

作文力は、一生使っていく力です。

まとめ

作文を学ぶ意味は、文章をきれいに書けるようになることだけではありません。

作文を書くことで、

自分の意見を持つ力。

意見を相手に伝える力。

事実と意見を区別する力。

論理的に考える力。

を育てることができます。

作文は、自分の考えを深め、それを相手に伝わる形にする練習です。

だからこそ、子どもの作文を見るときも、

「もっと上手に書きなさい」

だけではなく、

「何を考えたの?」
「どうしてそう思ったの?」

と、その子自身の考えに目を向けてみてください。

作文を通して育てたいのは、「作文が上手な子」だけではありません。

自分で考え、自分の言葉で人に伝えられる子なのだと思います。

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