適性検査作文は「接続詞」で変わる|「だから・しかし・つまり」で考えを深める

適性検査の作文を指導していると、「書くことが思いつかない」という子がいます。

ところが、話を聞いてみると、何も考えていないわけではありません。

自分の経験もある。意見もある。理由も言える。

それなのに、文章にすると一つひとつの考えがバラバラになってしまう。

そんな子に意識してほしいのが、接続詞です。

接続詞は、単に文章と文章をつなぐための言葉ではありません。

私はむしろ、自分の考えを整理し、深めるための道具だと考えています。

特に小学校高学年なら、まずは

「だから」「しかし」「つまり」

この3つを意識するだけでも、作文はずいぶん変わります。

「だから」で理由と意見をつなぐ

作文では、自分の意見を書くだけでは十分ではありません。

「私は〇〇だと思います」

と書いたら、

「なぜ、そう思うのか」

まで説明する必要があります。

そこで役立つのが「だから」です。

たとえば、

「私は学校行事には積極的に参加したほうがよいと思います」

という意見があったとします。

そこで終わるのではなく、自分の経験を思い出してみる。

「運動会の準備で友達と協力したことで、一人ではできないことも力を合わせればできると分かった」

という経験があれば、

この経験があった。だから、私はこう考える。

という因果関係が生まれます。

作文で大切なのは、立派な意見を書くことではありません。

自分の意見に根拠があることです。

「だから」と考える習慣をつけると、経験と意見がつながりやすくなります。

「しかし」で別の見方を考える

自分の意見だけを一直線に書くと、作文が一面的になることがあります。

そんなときに使いたいのが「しかし」です。

たとえば、

「インターネットは便利なので、積極的に活用したほうがよい」

と考えたとします。

そこで、

「しかし……」

と一度立ち止まってみる。

「間違った情報を信じてしまうこともある」

「使いすぎれば生活リズムを崩すこともある」

など、反対側から物事を見ることができます。

これは単なる作文テクニックではありません。

適性検査では、一つの物事を一方向からだけ見るのではなく、複数の立場や条件を踏まえて考える力が求められます。

「私はこう思う。でも、反対から見たらどうだろう」

この問いを自分で持てるようになることが大切です。

実際に完成した作文で「しかし」を使わなかったとしても構いません。

書く前のメモの段階で「しかし」を考えてみる。

それだけでも、考えに厚みが出てきます。

「つまり」で自分の考えを言い直す

作文を書いていると、経験や理由をたくさん書いたものの、

「結局、何が言いたいの?」

となってしまうことがあります。

そこで使えるのが「つまり」です。

自分が書いた内容を見て、

「つまり、自分が言いたいことは何なのか」

と考えてみます。

この作業によって、具体的な経験から、もう一段広い考えへ進むことができます。

たとえば、

「係活動で意見が合わなかったけれど、話し合って解決した」

という経験があったとします。

ここから、

「つまり、自分と違う意見でも、まず聞いてみることが大切だ」

とまとめる。

具体的な経験を、少し広い意味に置き換えるわけです。

これは適性検査作文ではとても大切な力です。

具体的な経験を書くことと、そこから何を考えたのかを書くこと。

この二つがそろうと、作文は単なる体験談ではなくなります。

接続詞をたくさん入れればよいわけではない

ここは注意が必要です。

「だから・しかし・つまり」を使えば作文が上手になるからといって、文章の中にたくさん入れればよいわけではありません。

大切なのは接続詞そのものではなく、

その接続詞の後に何を書くかを考えることです。

だから → なぜそう考えるのか。

しかし → 反対側から見るとどうなのか。

つまり → 結局、自分は何を伝えたいのか。

接続詞を「文章をつなぐ言葉」として覚えるだけではもったいない。

考えるためのスイッチとして使ってほしいと思います。

書き始める前に「だから・しかし・つまり」を考える

作文が苦手な子ほど、問題を読んだらすぐに原稿用紙へ書き始めようとします。

しかし、先に考えを整理したほうが、結果的には書きやすくなります。

メモの段階で、

「自分の意見は?」

「だから?」

「しかし?」

「つまり?」

と、自分に問いかけてみる。

全部を作文に盛り込む必要はありません。

考えてみたうえで、必要なものを選んで書けばいいのです。

作文は、思いついたことを全部書く競技ではありません。

自分が一番伝えたいことを選び、それが読み手に伝わるように組み立てるものです。

親が接続詞の後を考えない

家庭で作文を見ていると、子どもが止まった瞬間に、

「だから、こう書けば?」

「ここは『しかし』じゃない?」

と親が続きを考えたくなることがあります。

しかし、それを続けると、きれいな作文は完成しても、子ども自身の作文力はなかなか育ちません。

親が知っておいてほしいのは、接続詞の「答え」ではなく、接続詞を使って考えを深めるという考え方です。

子ども自身が、

「だから、何だろう」

「しかし、別の考え方はないかな」

「つまり、自分は何が言いたいんだろう」

と考える。

この時間に意味があります。

親は理解する。子どもは自分でやる。

作文でも、この距離感を大切にしたいと思います。

まとめ

適性検査作文では、難しい言葉をたくさん使う必要はありません。

まず意識したいのは、

「だから」「しかし」「つまり」

という、ごく普通の接続詞です。

ただし、目的は接続詞を入れることではありません。

「だから」で根拠を考える。

「しかし」で別の視点を持つ。

「つまり」で自分の考えを整理する。

接続詞を手がかりに、自分で考えを組み立てる。

その積み重ねが、適性検査で求められる作文力につながっていきます。

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