夏期講習で親子げんかが増えたとき|注意する回数を減らす考え方

夏期講習も後半になると、

「毎日怒ってしまいます。」

「言わないと勉強しないんです。」

そんな相談が増えてきます。

夏休み前は、

「今年の夏は頑張ろう。」

と前向きだった親子も、お盆を過ぎる頃には空気が変わってきます。

宿題が終わらない。

計画どおりに進まない。

疲れもたまっている。

すると、保護者はつい、

「早くやりなさい。」

「またダラダラしている。」

「昨日も同じことを言ったよね。」

そんな言葉が増えてしまいます。

もちろん、お子さんのことを思っての声かけです。

しかし、現場で毎年子どもたちを見ていると、親子げんかが増える家庭には、ある共通点があります。

それは、「注意する回数」が増えていることです。


注意が増えるほど、子どもは聞かなくなる

最初は一回で動いていた子も、

毎日何度も注意されるようになると、反応が変わってきます。

「あとでやる。」

「分かってる。」

「今やろうと思ってた。」

そんな返事が増えます。

保護者は、

「何度言っても聞かない。」

と感じます。

でも、子どもからすると、

「また言われた。」

という感覚になっています。

同じ内容を何度も聞いているうちに、言葉そのものが届かなくなってしまうのです。


「勉強しなさい」は指示ではなく雑音になる

受験生だからといって、自分で完璧に行動できる子は多くありません。

だから声をかけること自体は必要です。

ただ、

「勉強しなさい。」

という言葉を一日に何度も繰り返しても、行動は変わりません。

なぜなら、その言葉には具体性がないからです。

勉強とは、

算数なのか。

宿題なのか。

復習なのか。

子どもには分かりません。

曖昧な指示ほど、動きにくくなります。


注意する回数ではなく、約束を減らす

現場でおすすめしているのは、

「一日に一つだけ約束を決めること」です。

例えば、

「夕食までに算数だけ終わらせよう。」

「今日は漢字だけ必ずやろう。」

それだけです。

約束が一つなら、

保護者も何度も注意する必要がありません。

子どもも、

「今日はこれをやればいい。」

と分かります。

やることを増やすより、

約束を減らす。

その方が、お互いに気持ちが楽になります。


子どもは「注意された回数」を覚えている

保護者は、

「今日は三回しか注意していない。」

と思っていても、

子どもは、

「今日もずっと怒られていた。」

と感じています。

人は、注意された記憶の方が強く残るからです。

その結果、

机へ向かうことより、

怒られないこと。

親の機嫌をうかがうこと。

そちらへ意識が向いてしまいます。

これでは勉強に集中できません。


夏休み後半に必要なのは親子で続けられる形

夏休み後半は、

勉強時間を増やすことより、

最後まで続けられる形を作ることの方が大切です。

毎日けんかをしながら勉強するより、

一つの約束を守り、

一つできたことを認める。

その積み重ねの方が、子どもは前向きに机へ向かえます。

現場でも、最後まで伸びる家庭ほど、

注意する回数は少なく、

確認する回数が多い印象があります。

「終わった?」

ではなく、

「今日はどこまで進んだ?」

そんな会話が自然と増えていきます。


保護者が変わると家庭の空気は変わる

子どもを変えようとすると、

どうしても注意は増えます。

でも、

「今日は一回だけ伝えよう。」

そう決めるだけで、家庭の空気は少し変わります。

子どもも、

「また怒られる。」

ではなく、

「今日はこれを終わらせよう。」

と考えやすくなります。

受験は長い道のりです。

だからこそ、親子で続けられる関わり方が何より大切なのです。


まとめ

夏期講習の後半は、親子げんかが増えやすい時期です。

そんなときは、

・注意する回数を増やさない。

・「勉強しなさい」ではなく、具体的な約束を一つ決める。

・できたことを確認する会話を増やす。

この3つを意識してみてください。

受験勉強は、親が子どもを動かし続けるものではありません。

子どもが自分で動ける環境を整えていくことが、長い受験生活では何より大切です。


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