小学6年生の秋になると、中学受験の模試は少しずつ性格が変わってきます。
偏差値が上がった。判定が下がった。
入試が近づくほど、一回の結果が気になるのは当然です。
ただ、秋以降の模試ほど、数字だけを見て一喜一憂しないでほしいと思います。
長く中学受験の模試作問に携わってきましたが、作る側から見ても、夏までと秋以降では模試が変わるからです。
夏までの模試には「範囲」がある
夏ごろまでの模試では、塾のカリキュラムや進度に合わせて、ある程度の出題範囲が設定されることがあります。
実際に模試を作問していたときも、夏までは、
「ここからここまで」
というように、比較的明確な範囲を指定され、その中で問題を作ることが多くありました。
受験する子どもから見ても、少し前に学習した内容が出題されやすくなります。
もちろん、それだけで点数が取れるわけではありません。
それでも、ある程度は「今回の模試では、このあたりが出る」という前提があります。
ところが、秋以降は違います。
秋になると「この単元をやればいい」がなくなっていく
秋以降の模試を作るときには、夏までのような細かな範囲ではなく、かなり大きなくくりで作問範囲を示されることがあります。
つまり、
「この単元を復習しておけば、今回の模試は大丈夫」
という考え方が通用しにくくなります。
これまで学習してきた知識を使い、初めて見る問題に対応する。
少しずつ本番の入試に近づいていきます。
社会や理科では、その年の出来事や時事的なテーマが問題に取り入れられることもあります。
社会なら政治・経済・国際情勢・災害など。
理科でも気象、自然災害、環境、科学技術など、ニュースになった出来事を入口にして、学習した知識を問うことができます。
秋以降の模試は、直前に勉強した単元を確認するテストから、それまで身につけてきた力を使うテストへと変わっていくのです。
冠模試では「他流試合」になる
秋になると、志望校別の冠模試を受ける機会も増えてきます。
ここでも普段の模試とは違うことがあります。
その学校を志望する他塾の受験生も受けに来るからです。
いわば、他流試合です。
普段とは違う受験者の中で、自分の位置を確認することになります。
そのため、
「前回より偏差値が下がった」
という数字だけを見て、すぐに学力が落ちたと考える必要はありません。
逆に、良い判定が出たからといって安心しきるのも違います。
大切なのは、
その集団の中で今の自分がどこにいるのか。
そして、
本番までに何を修正する必要があるのか。
そこを見ることです。
模試は「合否を決めてもらう場所」ではない
秋になると、親も子どもも判定が気になります。
A判定なら安心する。
厳しい判定なら不安になる。
でも、模試は合格や不合格を宣告してもらうために受けるものではありません。
本番までに改善するところを見つけるために受けるものです。
同じ算数の失点でも、
知識が抜けていたのか。
解き方は分かっていたのに計算を間違えたのか。
時間が足りなかったのか。
問題の条件を読み落としたのか。
原因によって、次にすることは変わります。
だからこそ、偏差値や判定を見るだけで終わらせないことが大切です。
結果を受け止め、次を考えるのは本人
そして、もう一つ大切にしたいことがあります。
模試を受けたのは子どもです。
結果が返ってきたとき、親が先に、
「算数をもっとやらないと」
「この判定では厳しい」
「志望校を変えた方がいい」
と結論を出す必要はありません。
まず本人が答案を見る。
何ができなかったのかを考える。
そして、次に何をするのかを考える。
親は必要なら一緒に考える。
でも、先回りしてすべてを決めない。
サクラサクが大切にしている、
「親は理解する。子どもは自分でやる。」
模試でも同じです。
まとめ
小学6年生の秋以降、模試の意味は少しずつ変わります。
細かな出題範囲が薄れ、それまで学習してきた内容を総合的に使う問題が増えていきます。
社会や理科では時事的なテーマも出てきます。
冠模試なら、他塾の受験生も参加する「他流試合」になることもあります。
だからこそ、一回の偏差値や判定だけに一喜一憂しない。
良くても浮かれすぎない。
悪くても慌てない。
秋の模試は、いまの自分の位置を確認し、本番までに何をするのかを考えるためのものです。
結果を受け止め、次の行動につなげる。
その中心にいるのは、やはり受験する本人です。
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