公立中高一貫校を目指す家庭にとって、夏休みは適性検査対策を進める大切な時期です。
まとまった学習時間を取れるため、
「過去問をたくさん解いた方がよいのでは」
「作文を毎日書かせるべきでしょうか」
と考える保護者もいるでしょう。
しかし、適性検査は、問題数をこなすだけで伸びる試験ではありません。
文章や資料を読み、複数の条件を整理し、自分の考えを説明する力が求められます。
夏休みに大切なのは、難しい問題へ急ぐことではありません。
設問を確認し、条件を整理し、必要な情報を選んで答える手順を身につけることです。
【まず基礎知識の抜けを確認する】
適性検査は、知識だけを問う試験ではありません。
ただし、基礎知識が不要なわけでもありません。
割合や速さ。
単位や図形。
植物や天気。
都道府県や産業。
こうした小学校で学ぶ内容を使いながら、資料を読んだり、理由を考えたりします。
基礎が曖昧なまま総合問題へ進むと、考える前に手が止まります。
夏休み前半は、
計算。
漢字や語句。
理科・社会の基本事項。
表やグラフの基本的な見方。
を確認します。
難問を増やす前に、考えるための材料がそろっているかを見ることが大切です。
【設問を読んでから資料を見る】
適性検査には、文章、表、グラフ、地図、会話文など、多くの情報が出てきます。
最初から資料をすべて読もうとすると、何を探せばよいか分からなくなります。
基本の順番は、
設問を読む。
何を答えるのか確認する。
必要な資料へ戻る。
です。
設問の中にある、
資料番号。
条件。
答える内容。
文字数。
へ印をつけます。
適性検査は、資料をすべて覚える試験ではありません。
問いに必要な情報を選ぶ試験です。
【条件は頭の中だけで処理しない】
適性検査では、複数の条件を使う問題がよく出ます。
時間や金額の条件。
複数の人の意見。
資料から選ぶ情報。
こうした内容を頭の中だけで考えると、途中で条件を忘れやすくなります。
条件は、
箇条書き。
表。
図。
矢印。
などを使って、問題用紙やノートへ書き出します。
きれいにまとめる必要はありません。
考えるために、情報を外へ出すことが目的です。
【資料では、違いを一つ見つける】
表やグラフでは、すべての数字を一度に理解しようとしなくても構いません。
最初に、
増えたところ。
減ったところ。
急に変化したところ。
ほかと違うところ。
を一つ見つけます。
二つの資料を使う問題なら、
資料1で分かること。
資料2で分かること。
をつなぎます。
資料問題で必要なのは、数字を読み上げることではありません。
違いから、
何が起きているのか。
なぜそうなったのか。
を考えることです。
【作文は、書く前に材料を並べる】
適性検査作文では、いきなり原稿用紙へ書き始めないことが大切です。
書く前に、
自分の意見。
その理由。
資料から分かる事実。
自分の体験や具体例。
を短くメモします。
たとえば、
意見
地域行事は続けた方がよい。
理由
地域の人が関わる機会になるから。
体験
清掃活動で、普段話さない地域の人と一緒に作業した。
このように材料を並べてから文章にします。
作文が苦手な子は、表現力より前に、何を書くかが決まっていないことがあります。
【過去問は、点数より止まった場所を見る】
夏休みに過去問へ触れることには意味があります。
ただし、最初から一回分を通して解く必要はありません。
資料問題だけ。
作文だけ。
大問一つだけ。
という使い方でも構いません。
解いたあとは、点数だけでなく、
文章を読むのに時間がかかった。
資料の数字を見落とした。
条件を一つ使い忘れた。
作文の材料が決まらなかった。
といった原因を見ます。
過去問は、合否を予測するためだけのものではありません。
これから何を練習するかを見つける教材です。
【夏休み後半は、作業ごとに時間を測る】
夏休み前半は、基礎と解き方の整理を中心にします。
後半になったら、少しずつ時間を意識します。
大問一つを時間内に解く。
資料の読み取りだけを測る。
作文の構成メモを短時間で作る。
といった部分練習から始めます。
時間が足りなかったときは、
読むところで止まったのか。
考えるところで止まったのか。
書くところで時間がかかったのか。
を分けます。
時間を測る目的は、子どもを急がせることではありません。
どの作業に時間がかかっているかを知ることです。
【適性検査の要素は、1週間の中で分けて取り組む】
適性検査対策には、
基礎知識。
資料の読み取り。
条件整理。
作文や記述。
総合問題。
など、複数の学習があります。
すべてを毎日行う必要はありません。
一週間の中で、
基礎を確認する日。
資料問題に取り組む日。
条件整理や短い記述を練習する日。
作文の材料を作る日。
総合問題へ取り組む日。
というように分けてもよいでしょう。
塾の夏期講習や宿題がある場合は、その予定に合わせて調整します。
大切なのは、毎日多くの課題をこなすことではありません。
必要な力に、偏りなく触れることです。
【まとめ】
公立中高一貫校を目指す子の夏休みでは、適性検査型の問題を大量に解くだけでは十分ではありません。
まず基礎知識の抜けを確認します。
設問を読んでから、必要な資料へ戻ります。
複数の条件は、表や箇条書きにして整理します。
資料では、変化や違いを一つ見つけます。
作文では、意見・理由・資料・体験を先に並べます。
過去問は、点数よりも、どこで止まったかを見るために使います。
夏休み後半は、作業ごとに時間を測ります。
夏休みの目標は、難問を何問解いたかではありません。
問題を前にしたとき、
何を聞かれているか確認する。
条件を整理する。
必要な情報を選ぶ。
自分の考えを組み立てる。
この手順を身につけることです。
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