中学受験の社会を覚えても点にならない子|用語を出来事につなぐ方法

中学受験の社会で、用語は覚えている。

人物名も言える。

都道府県や特産品も答えられる。

年号も、ある程度覚えている。

それでも、模試や過去問になると点が取れない。

そんな子は少なくありません。

社会では、知識を覚えることが必要です。

人物。

出来事。

制度。

地名。

産業。

知らなければ、問題を解くことはできません。

ただし、知識を持っていることと、その知識を問題の中で使えることは同じではありません。

覚えても点にならない子は、知識が足りないのではなく、用語同士のつながりが弱いことがあります。

その用語が、

いつの時代か。

どの出来事と関係するか。

何のために行われたか。

その後、何が変わったか。

そこまで整理されて、初めて問題で使える知識になります。

【社会は、知識の数だけでは点にならない】

一問一答では正解できるのに、資料問題や正誤問題では解けない。

この差は、知識の持ち方にあります。

たとえば、

「墾田永年私財法とは何ですか」

と聞かれれば、答えられる子がいます。

しかし、入試問題では、

なぜその制度が作られたのか。

土地の持ち方がどう変わったのか。

その後の社会にどうつながったのか。

まで問われることがあります。

一問一答は、用語を覚えているかを確認する学習です。

入試問題では、その用語を出来事の流れの中で使う必要があります。

社会が伸びないときは、

覚えていないのか。

覚えているが、つながっていないのか。

を分けて考えることが大切です。

【歴史は、原因・出来事・結果をつなぐ】

歴史の用語を覚えるときは、名前だけで終わらせないようにします。

次の三つを短くつなぎます。

  • 何が原因だったか
  • 何が起きたか
  • その後どう変わったか

たとえば、

外国の要求に幕府が十分対応できなかった

開国と幕府への不満

倒幕の動きが強まり、明治維新へつながった

この程度で構いません。

長い説明を書く必要はありません。

出来事の前後が一本につながっていれば、並べ替え問題や正誤問題でも判断しやすくなります。

年号も、数字だけで覚えないことが大切です。

年号は、出来事を置く目印です。

一つ覚えたら、

この前に何があったか。

このあと何が変わったか。

を一つずつ確認します。

数字だけでなく、出来事の位置が見えるようになります。

【用語は、出来事の中へ置く】

歴史の用語は、最低限、次のどこに置かれる知識なのかを確認します。

  • 誰が
  • いつ
  • 何のために
  • その後どうなったか

たとえば、廃藩置県なら、

明治政府が。

明治時代の初めに。

中央集権を進めるために。

藩を廃止して府県を置いた。

とつながります。

ただし、毎回すべてを書かせる必要はありません。

「誰が」は分かっているが、「何のために」が弱い。

「いつ」は分かっているが、「その後」がつながっていない。

その場合は、欠けている一か所だけ補います。

必要なのは、きれいなまとめノートではありません。

その用語が、どの出来事の中にあるのかを確認することです。

【地理は、場所と理由をつなぐ】

地理では、

北海道は酪農。

静岡県は茶。

愛知県は自動車工業。

と覚えることがあります。

しかし、産業や特産品の名前だけでは、資料問題に対応しにくいことがあります。

確認したいのは、

なぜ、その地域で盛んなのか。

という理由です。

場所と、次のどれか一つを結びつけます。

  • 気候
  • 地形
  • 交通
  • 市場
  • 原料

たとえば、

北海道の酪農なら、広い土地と冷涼な気候。

静岡県の茶なら、温暖な気候と斜面。

愛知県の自動車工業なら、関連工場の集まりと交通網。

すべての理由を詳しく覚える必要はありません。

「なぜ、そこで盛んなのか」を一つ説明できれば、地図やグラフの問題にも使いやすくなります。

【資料問題は、違いを見てから知識を使う】

社会の資料問題では、地図、表、グラフ、写真、史料文が出てきます。

資料を見ると、すぐに知っている用語を探そうとする子がいます。

しかし、最初に見るのは知識ではありません。

何が違うかです。

  • 年代が違う
  • 地域が違う
  • 数量が増えている
  • 割合が減っている
  • 身分や立場が違う
  • 交通手段が変わっている

二つのグラフなら、増えたものと減ったものを見る。

二つの地図なら、領域や都市、交通路の違いを見る。

史料文なら、時代を判断できる言葉へ印をつける。

そのあとで、

この違いを説明できる知識は何か。

と考えます。

知識から無理に資料を見るのではなく、資料の違いから必要な知識を選ぶことが大切です。

【解き直しでは、正解より手がかりを残す】

社会の解き直しで、正しい用語だけを書き直しても、次の問題にはつながりにくいものです。

残したいのは、その答えを選んだ手がかりです。

たとえば、

答えは「日米修好通商条約」

とだけ書くのではなく、

領事裁判権を認めた。

関税自主権がなかった。

幕末に結ばれた。

という判断材料を一つか二つ残します。

人物問題でも、

答えは「伊藤博文」

だけではなく、

初代内閣総理大臣。

大日本帝国憲法の制定に関わった。

と、呼び出す手がかりを残します。

解き直しの目的は、正解を覚え直すことではありません。

どの言葉や資料を見たら、その知識を使うのかを整理することです。

【親は「覚えた?」より「何とつながる?」と聞く】

家庭で社会を見ると、

「この人物は覚えた?」

「この県の特産品は言える?」

「年号は覚えた?」

と確認したくなります。

もちろん、基礎知識の確認は必要です。

ただし、覚えているのに点にならない子には、別の聞き方が必要です。

「この出来事の前に何があった?」

「これは何のために作られた?」

「なぜ、この地域で盛んなの?」

「資料のどこを見て判断した?」

すべてを聞く必要はありません。

一つだけ、

「この言葉は、何とつながる?」

と確認します。

答えられなければ、知識は覚えていても、まだ問題で使える形にはなっていません。

【まとめ】

中学受験の社会で、覚えても点にならない子は、知識が足りないとは限りません。

用語が、時代や場所、原因、結果とつながっていないことがあります。

点につなげるためには、

  • 歴史は、原因・出来事・結果をつなぐ
  • 年号は、前後の出来事と結びつける
  • 地理は、場所と理由を一つつなぐ
  • 資料問題は、違いを見てから知識を使う
  • 解き直しでは、正解ではなく手がかりを残す

ことが大切です。

社会の勉強は、覚える用語の数を増やすことだけではありません。

覚えた知識を、出来事の流れや場所の特徴の中へ置く練習です。

「知っている言葉」を増やすだけでなく、

「どの場面で、その知識を使うのか」

まで整理する。

それが、覚えた社会の知識を得点へ変える方法です。

カテゴリ:家庭学習