小学5年生の秋の中学受験|6年生になる前に身につけたい学習習慣

小学5年生の秋。

中学受験では、このあたりから学習内容が一段階変わってきます。

算数では、割合や比、速さ、図形など、入試につながる重要な単元が増えていきます。

理科も、用語を覚えるだけではなく、計算したり、条件を整理したり、複数の知識を組み合わせたりする問題が増えてきます。

社会では歴史の学習が本格化し、覚えなければならない用語も一気に増えていきます。

多くの中学受験カリキュラムを見ても、5年生後半は、6年生の受験学習につながる重要な内容が集中する時期です。

そして、中学受験の世界では、5年生の2月から実質的に6年生の学習が始まります。

そう考えると、秋から残された時間はそれほど長くありません。

ただし、ここで私が伝えたいのは、

「もうすぐ6年生だから、もっと勉強させましょう」

ということではありません。

むしろ逆です。

6年生になる前に身につけてほしいのは、たくさん勉強すること以上に、

自分で学習を回していく力

です。

5年生の秋から、勉強は少しずつ複雑になる

4年生から5年生前半までは、

授業を聞く。

宿題をする。

覚える。

それだけでも、ある程度は学習を進めることができます。

ところが5年生後半になると、それだけでは少しずつ苦しくなってきます。

算数なら、以前に習った割合の考え方が、比や速さ、図形など別の単元でも使われるようになります。

理科でも、知識そのものを問う問題だけではなく、グラフや表を読み取ったり、条件から考えたりする問題が増えます。

歴史も、人物名や出来事を覚えるだけで終わりではありません。

「なぜその出来事が起きたのか」

「その結果、社会はどう変わったのか」

というつながりも必要になります。

一つの単元を覚えたら終わり、ではなくなっていくのです。

だからこそ、この時期から大切になるのが、

分からなかったところに自分で戻る習慣

です。

「宿題を終わらせる」がゴールになっていないか

5年生を見ていて、少し気になることがあります。

宿題をきちんとやっている。

復習テストも受けている。

塾にも休まず通っている。

それなのに、なかなか力がついてこない。

そんな子は珍しくありません。

原因の一つが、

「やるべきことを終わらせること」が目的になっていること

です。

算数の宿題を20問やった。

丸つけをした。

間違えた。

そこで終わり。

これでは、20問解いたという事実は残りますが、できなかった問題はできないままです。

本当に大切なのは、そのあとです。

なぜ間違えたのか。

解説を読めば分かるのか。

もう一度、自分だけで解けるのか。

それでも分からなければ、誰かに質問するのか。

勉強は「やった量」だけではなく、

できなかったことを、できるようにする過程

に意味があります。

5年生の秋からは、ここを少しずつ意識してほしいと思います。

分からないことを質問できる子になってほしい

6年生になる前に、ぜひ身につけてほしい習慣があります。

それは、

分からないことを、そのままにしないこと

です。

これは簡単そうに見えて、意外と難しいものです。

授業中に分からなかった。

家で解き直しても分からなかった。

でも質問には行かない。

そして翌週には次の単元が始まる。

これを繰り返すと、少しずつ「分からない」が積み重なっていきます。

特に5年生後半からは、以前の単元が次の学習につながることが増えてきます。

だから、

「分からない」

と言えること。

そして、

「ここまでは分かるけれど、ここから分からない」

と自分で整理できること。

これは立派な学習能力です。

6年生になってから急に身につくものではありません。

5年生のうちから練習してほしいと思います。

テストは点数を見るためだけのものではない

5年生の秋になると、テストの点数や偏差値が気になってくる家庭も増えてきます。

もちろん、成績を見ること自体は悪いことではありません。

ただ、この時期は結果だけを見るより、

テストのあと、その子が何をしているか

を見てほしいと思います。

間違えた問題を確認しているか。

できなかった理由を考えているか。

必要な問題をもう一度解いているか。

同じ間違いを繰り返していないか。

ここが大切です。

テストは、その時点での完成度を確認するものでもあります。

点数が悪かったからダメなのではありません。

むしろ5年生なら、できないところが見つかって当然です。

問題は、

見つかった課題を、そのままにすること

です。

テストを受ける。

結果を見る。

一喜一憂する。

それで終わるのではなく、

次の学習につなげるところまでをテスト

と考えてほしいと思います。

6年生になると「自分で回せるか」の差が大きくなる

6年生になると、学習量はさらに増えます。

通常授業があり、宿題があり、テストがあり、模試も増えていきます。

やがて志望校が具体的になり、過去問にも取り組むようになります。

すべてを完璧にやることは難しくなります。

そのとき必要になるのが、

「今、自分は何を優先するべきか」

「何ができていないのか」

「どこまで戻ればいいのか」

を考える力です。

5年生までずっと、

「今日はこれをやりなさい」

「次はこれ」

「これはやったの?」

と誰かに指示されてきた子が、6年生になった瞬間に自分で考えられるようになるわけではありません。

だから5年生の秋から、少しずつ任せていく必要があります。

親が完璧な学習計画を作らない

ここは、保護者の方にぜひ意識してほしいところです。

5年生の秋になると、学習内容が難しくなります。

成績が下がることもあります。

すると親としては心配になります。

何とかしなければと思います。

そして、

月曜日は算数。

火曜日は理科。

水曜日は算数の解き直し。

木曜日は社会。

週末は模試の復習。

そんな完璧な計画を作りたくなります。

でも、親がすべて決めてしまうと、子どもは考えなくても勉強できてしまいます。

これは一見うまくいっているように見えます。

しかし、実際に鍛えられているのは、

親の学習管理能力

かもしれません。

中学受験をするのは子どもです。

だから、少しずつ子ども自身に考えさせてほしいと思います。

「今週は何をやる?」

「今回のテストで一番まずかったところは?」

「次はどうする?」

そう聞いてみる。

最初はうまくできなくても構いません。

計画どおり進まないこともあるでしょう。

優先順位を間違えることもあります。

それも経験です。

自分で決めて、失敗して、次に修正する。

その積み重ねが、やがて自分で学習を回す力になります。

失敗できるのも5年生のうち

私は、5年生の秋にはもう一つ大切な意味があると思っています。

まだ失敗できることです。

勉強するつもりだったのにできなかった。

テストの復習を忘れた。

質問しようと思っていた問題を、そのままにしてしまった。

もちろん、ずっとそれでは困ります。

でも、5年生なら失敗しても立て直す時間があります。

むしろ今のうちに、

「このやり方ではうまくいかなかった」

という経験をしておいた方がいいこともあります。

親が先回りして失敗を全部防いでしまえば、子どもは失敗から学ぶ機会を失います。

6年生になれば、入試までの時間はどんどん短くなります。

だからこそ5年生の今は、

小さく失敗して、自分で立て直す練習ができる時期

でもあるのです。

5年生の秋は、成績だけの分かれ道ではない

小学5年生の秋は、中学受験にとって重要な時期です。

ただ私は、

「ここで成績を上げなければいけない」

という意味だけで重要だとは思っていません。

もっと長い目で見ると、

勉強を誰のものにするか

の分かれ道だと思っています。

親に言われたからやる。

塾から出されたからやる。

テストがあるからやる。

そこから少しずつ、

自分の分からないところを見つける。

自分で戻る。

必要なら質問する。

もう一度やる。

次に何をするか考える。

そんな学習へ移っていく。

6年生になる前に、その土台を作っておきたいのです。

まとめ

小学5年生の秋から、中学受験の学習内容は一段階深くなります。

算数では重要単元が増え、理科では考える問題が増え、社会では覚える内容も広がっていきます。

だからといって、親が焦って勉強量を増やしたり、すべてを管理したりする必要はありません。

この時期に身につけたいのは、

自分で学習を回す習慣です。

授業を受ける。

自分で解く。

間違える。

戻る。

分からなければ質問する。

もう一度やる。

そして次に何をするか、自分で考える。

このサイクルを少しずつ子ども自身のものにしていく。

親は、その大切さを理解する。

でも、代わりにはやらない。

親は理解する。子どもは自分でやる。

6年生になって突然、自立した受験生になるわけではありません。

その準備を始められるのが、小学5年生の秋です。

成績だけではなく、子ども自身の学び方がどう変わってきたか。

この秋は、そこにも目を向けてほしいと思います。

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