中学受験の歴史は「丸暗記」も必要|小学5年生から用語を漢字で覚えてほしい理由

「歴史は丸暗記ではなく、流れを理解することが大切」

よく言われることです。

もちろん、私もそう思います。

なぜその出来事が起きたのか。
その前後で社会がどう変わったのか。
人物と出来事がどうつながっているのか。

こうしたことを理解せず、言葉だけを覚えていても、考える問題には対応できません。

ただ、その反動なのか、最近は少し**「丸暗記」を軽く見すぎている**ようにも感じます。

中学受験の歴史では、

理解して覚えることも大切。丸暗記することも大切。

どちらも必要です。

そしてもう一つ、5年生で歴史を学び始めたときから意識してほしいことがあります。

歴史用語は、最初から漢字で覚える。

私はこれを大切にしています。

「分かっている」と「答えられる」は違う

歴史の授業で話を聞いて、

「なるほど、そういうことか」

と理解する。

これはとても大切です。

ところが、テストでその出来事について聞かれると、肝心の用語が出てこない。

こういうことはよくあります。

内容を理解していることと、問題に正確に答えられることは同じではありません。

たとえば、

「鎌倉時代に武士のためにつくられた法律」

について、どんなものだったのかは何となく説明できる。

しかし、

御成敗式目

という言葉が出てこなければ、用語を問う問題には答えられません。

考えれば「御成敗式目」という言葉にたどり着くわけではありません。

どこかで覚える必要があります。

覚えるべきものは、覚える。

これも立派な勉強です。

丸暗記を悪者にしなくていい

「丸暗記」というと、あまりよい勉強ではないように扱われることがあります。

意味も分からず覚えても仕方がない。

考える力が大切だ。

確かにその通りです。

ただし、

だから暗記しなくてよい、という話ではありません。

むしろ、知識があるからこそ考えられることがあります。

人物や出来事を知っているから、時代のつながりが見えてくる。

基本的な用語を知っているから、資料を読んだときに「あの出来事のことだ」と気づく。

歴史が得意な子ほど、実際にはかなりの知識を持っています。

そのうえで、知識同士をつなげています。

ですから、

「暗記か、理解か」

ではありません。

暗記した知識を、理解によってつなげていく。

これが歴史の勉強だと思います。

歴史用語は最初から漢字で覚える

そして、歴史の暗記でもう一つ大切なのが漢字です。

私は、

「最初はひらがなで覚えて、漢字はあとから」

というやり方をおすすめしません。

歴史では、小学生にとって書き慣れない漢字が出てきます。

たとえば、

卑弥呼。

「ひみこ」と読めても、「弥」を正確に書けない子は珍しくありません。

あるいは、

廃藩置県。

「はいはんちけん」と言えても、「廃」や「藩」は普段あまり使わない漢字です。

だからといって、ひらがなのまま覚えてしまえば、いずれ漢字を覚え直すことになります。

それなら、

最初から正しい漢字で覚えればいい。

一度で書けなくても構いません。

間違えて、直して、また書く。

そうやって覚えていけばいいのです。

「あとから漢字で」は二度手間になる

最初に、

「はいはんちけん」

という音だけで覚える。

しばらくしてから、

「廃藩置県」

という漢字を覚える。

これでは、同じ言葉を二段階で覚えることになります。

もちろん、初めて見る難しい漢字を完璧に書くことを求めているわけではありません。

大切なのは、

最初から漢字で覚えようとすること。

漢字を含めて、その歴史用語だと考えることです。

難しいからひらがなで済ませるのではなく、難しいからこそ最初から触れておく。

5年生のうちからこの習慣をつけておくと、6年生になってからの負担が変わってきます。

入試では、どの用語に漢字指定が入るか分からない

中学入試では、

「漢字で答えなさい」

という指定が入ることがあります。

そして、どの用語が漢字指定されるかを事前にすべて予測することはできません。

普段ひらがなで済ませている用語が、本番で漢字指定されるかもしれません。

そこで、

「意味は分かっていた」

「言葉も知っていた」

では、もったいない。

だから私は、

漢字指定されそうな言葉だけ漢字で覚える、という考え方をしません。

普段の勉強から、書けるものは漢字で書く。

それを当たり前にしておく。

その方が、入試直前になって大量の歴史用語を漢字で覚え直すより、ずっと自然です。

漢字で覚えると、理解につながることもある

漢字で覚えることは、単なる入試対策でもありません。

漢字そのものが意味を表しているからです。

たとえば、

廃藩置県。

藩を「廃」して、県を「置」く。

漢字まで含めて覚えていると、「明治政府が何をしたのか」という意味とも結びつきます。

つまり、

漢字で覚えることと、理解して覚えることは、むしろ相性がいい。

暗記と理解は、ここでも対立するものではありません。

5年生で「覚え方」まで身につけてほしい

5年生で歴史が始まると、覚えることが一気に増えたように感じる子もいるでしょう。

最初は、漢字を間違えることもあります。

人物が混ざることもあります。

覚えたはずの用語を忘れることもあります。

それで構いません。

大切なのは、

「間違えたから、もう一度覚えよう」

と自分で戻れることです。

6年生になると、歴史だけを勉強しているわけにはいきません。

地理や公民もあり、模試や過去問もあります。

だからこそ5年生では、歴史の知識そのものと一緒に、

自分で覚え、自分で確認し、間違えたら覚え直す習慣

まで身につけてほしいと思います。

親が横について、一問一答を延々と出す必要はありません。

親が全部覚えさせるのでもありません。

覚える必要性は親も理解する。

でも、実際に覚えるのは子どもです。

親は理解する。子どもは自分でやる。

歴史の暗記でも、この基本は同じです。

まとめ

中学受験の歴史では、

理解して覚えることも大切です。

そして、

丸暗記することも大切です。

どちらか一方を選ぶ必要はありません。

覚えた知識があるからこそ、歴史の流れを理解できる。

流れを理解するからこそ、覚えた知識同士がつながっていく。

その両方が必要です。

そして、歴史用語を覚えるなら、

できるだけ最初から漢字で覚える。

「難しいから今はひらがなで、漢字はあとから」ではなく、間違えてもいいから最初から漢字に触れる。

入試でどの用語に漢字指定が入るかは分かりません。

5年生のうちから、

理解する。覚える。漢字で書く。

この3つを当たり前にしておくことが、6年生になったときの大きな土台になります。

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