夏休みも中盤になると、
「昨日は一日勉強できませんでした。」
という相談を受けることがあります。
旅行へ出かけた。
家族の予定があった。
体調があまり良くなかった。
理由はさまざまです。
すると保護者は、
「今日、その分を取り戻さなければ。」
と考えます。
勉強時間を倍にしたり、予定を詰め込んだりして、一日の遅れを一日で取り返そうとする家庭も少なくありません。
でも、現場で子どもたちを見ていると、その方法でうまくいくことはあまりありません。
むしろ、翌日は「取り戻そう」としない子の方が、夏休み全体では安定して伸びています。
一日休んだからといって、大きく遅れるわけではない
中学受験では、毎日の積み重ねが大切です。
だからこそ、一日勉強しなかっただけで、大きな不安を感じる保護者もいます。
しかし、夏休みは40日近くあります。
そのうちの一日だけを切り取って考える必要はありません。
大切なのは、一日休んだことではなく、そのあと再び学習リズムへ戻れるかどうかです。
現場でも、成績が安定している子ほど、
「昨日は休んだから、今日はいつもどおりやろう。」
と自然に切り替えています。
反対に、
「昨日できなかったから。」
と焦る子ほど、気持ちが空回りしてしまうことがあります。
「取り戻そう」がプレッシャーになる
一日勉強できなかった翌日、
保護者は善意で、
「昨日の分も頑張ろう。」
と声をかけます。
しかし、子どもにとっては、
「今日は昨日の分もやらなければいけない。」
という重たい一日になってしまいます。
勉強を始める前から疲れてしまい、
集中できず、
予定どおり終わらず、
さらに自己嫌悪になる。
そんな悪循環に入ることもあります。
遅れを取り戻そうとする気持ちは大切ですが、その方法を間違えないことの方がもっと大切です。
翌日は「いつもどおり」が一番いい
一日休んだ翌日に必要なのは、特別な勉強ではありません。
いつもの計算。
いつもの漢字。
いつもの復習。
普段と同じ流れで机へ向かうことです。
「昨日できなかったこと」は、その日の中で無理に詰め込まなくても構いません。
学習は、一日単位ではなく、一週間、一か月という流れで考えるものです。
だからこそ、翌日は「元に戻る日」と考えてください。
休むことも学習の一部
受験生だからといって、毎日完璧に勉強できるわけではありません。
疲れる日もあります。
集中できない日もあります。
予定が入る日もあります。
そんな日があることを前提に計画を立てる方が、長い受験生活では現実的です。
現場でも、最後まで伸びる子ほど、
頑張る日。
少し休む日。
また頑張る日。
その切り替えが上手です。
一日休んだから受験が不利になることはありません。
その一日を引きずることの方が、影響は大きいのです。
保護者が安心すると子どもも安心する
一日勉強しなかったとき、
一番焦るのは保護者かもしれません。
その焦りが、
「昨日は何をしていたの?」
「今日中に終わらせよう。」
という言葉になってしまうことがあります。
でも、その言葉を聞いた子どもは、
「やっぱり昨日休んではいけなかった。」
と思ってしまいます。
そんなときこそ、
「今日はいつもどおりやろう。」
その一言で十分です。
保護者が落ち着いていると、子どもも安心して勉強へ戻れます。
夏休みは「続ける力」を育てる時間
夏休みは、毎日完璧に勉強する期間ではありません。
途中で予定が変わることもあります。
思うように進まない日もあります。
その中で、
また机へ向かう。
また勉強を始める。
その「戻る力」を育てる期間でもあります。
受験本番でも、うまくいかない日はあります。
だからこそ、一度崩れても立て直せる子は強いのです。
まとめ
夏休みに一日勉強しなかったからといって、翌日に無理をして取り戻す必要はありません。
大切なのは、
・翌日は普段どおり勉強すること。
・一日単位ではなく、夏休み全体で考えること。
・保護者も焦らず、安心して再開できる雰囲気をつくること。
受験勉強は、一日の頑張りでは決まりません。
途中で休む日があっても、また戻ってこられること。
その力こそ、夏休み後半に育てたい大切な力ではないでしょうか。
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