読書感想文の本選びで迷ったら|小学校中学年が書きやすい本を選ぶ3つの基準

夏休みの読書感想文。

本屋へ行くと、指定図書や推薦図書がずらりと並んでいます。

保護者としては、

「せっかくなら、学年に合った本を読ませたい」

「感想文を書きやすい本を選んでほしい」

「賞を取れそうな本の方がいいのでは」

と考えることもあるでしょう。

ところが、子どもに聞いてみると、

「どれでもいい」

「読みたい本がない」

「難しそう」

と言って、なかなか決まりません。

読書感想文では、書き方の前に「本選び」で止まってしまう子が意外と多くいます。

そのとき、最初に考えたいのは、

感想文として評価されそうな本かどうかではなく、その子が本を読んで何かを感じられそうかどうかです。

一番大切なのは「自分が読みたい」と思えること

読書感想文では、本を読んだあとに、

「自分はどう感じたか」

「自分ならどうするか」

「読む前とあとで考えがどう変わったか」

を書いていきます。

つまり、感想文の材料になるのは、本の内容だけではありません。

その本を読んだときに生まれた、子ども自身の気持ちや考えです。

ところが、本人がほとんど興味を持っていない本を、

「指定図書だから」

「先生に褒められそうだから」

という理由だけで選ぶと、読み終わったあとに、

「特に何も思わなかった」

となることがあります。

これは、文章力以前の問題です。

書く材料になる感情や考えが、十分に動いていないのです。

だから、本を選ぶときにはまず、

「どれなら読んでみたい?」

と本人に聞いてみます。

読書感想文だからといって、大人が「正しい本」を選ぶ必要はありません。

本人の興味が動くことが、最初の一歩です。

表紙だけでなく、あらすじを読んでみる

とはいえ、小学校中学年くらいの子どもに、

「好きな本を選んでいいよ」

と言っても、なかなか決められないことがあります。

本屋にはたくさんの本があります。

表紙だけでは、どんな物語なのか分かりません。

そこでおすすめしたいのが、裏表紙や帯、紹介文などの「あらすじ」を読むことです。

たとえば、

友達との関係を描いた話。

家族との出来事を扱った話。

動物との出会いの話。

スポーツに挑戦する話。

知らない世界へ冒険する話。

あらすじを少し読むだけでも、

「これなら面白そう」

「この話は気になる」

という反応が出てきます。

ここで大切なのは、大人が先に判断しないことです。

「これは簡単すぎる」

「こっちの方が勉強になりそう」

と決める前に、子どもがどこに興味を示したかを見てみます。

本選びそのものも、自分の興味を知る経験になります。

背伸びした難しい本を選ばなくてもいい

読書感想文になると、少し難しい本を選ばせたくなることがあります。

厚い本。

有名な文学作品。

大人から見て「良い本」。

もちろん、その子が読みたいのであれば問題ありません。

ただ、「せっかく感想文を書くのだから」と背伸びをしすぎると、文章の意味を追うことだけで精いっぱいになることがあります。

理解するだけで疲れてしまえば、

「どこが心に残った?」

と聞かれても、考える余裕がありません。

読書感想文で評価されるのは、本の難しさではありません。

大切なのは、本を通して何を感じ、何を考えたかです。

読みやすい本でも、

「この登場人物の気持ちは分かる」

「自分にも似た経験があった」

「私はこの行動には賛成できない」

と思えれば、そこから十分に文章は広がります。

難しい本を選ぶことと、深い感想を書くことは同じではありません。

「書きやすい本」は、感情が動く本

では、読書感想文を書きやすい本とは何でしょうか。

私は、

読み終わったあとに、子どもの中に何か言いたいことが残る本

だと考えています。

感動した本だけではありません。

腹が立った。

不思議だった。

自分なら違うことをすると思った。

主人公がうらやましかった。

昔の自分を思い出した。

こうした反応も、すべて感想文の入り口です。

「感動しました」と書ける本を探す必要はありません。

むしろ、

「どうしてこの人はこんなことをしたんだろう」

という違和感の方が、子ども自身の考えにつながることもあります。

本と自分の間に何かが生まれる。

その本は、その子にとって「書きやすい本」になりやすいのです。

読書感想文のために、読書を嫌いにしない

読書感想文の宿題が出ると、どうしてもゴールが「作文を書くこと」になります。

読むときにも、

「感想を書かないと」

「使えそうな場面を覚えておかないと」

と考えてしまいます。

でも、本来の順番は逆です。

まず、本を読む。

面白い、悲しい、不思議だと感じる。

そのあとで、自分の中に残ったものを文章にしていく。

読書感想文は、読書活動のあとにあるものです。

感想文を書くためだけに本を読むようになると、本を読むこと自体が宿題になってしまいます。

特に小学校中学年くらいでは、これから読書との関係をつくっていく時期です。

だからこそ、

「この本なら読んでみたい」

という気持ちは大切にしたいところです。

親ができるのは「正解の本」を選ぶことではない

本選びで迷っている子を見ると、親は手伝いたくなります。

それ自体は悪いことではありません。

ただ、

「これがいいよ」

と一冊を決めるより、

「どんな話なら読んでみたい?」

「このあらすじはどう?」

「最初の数ページを読んでみる?」

と、選ぶ材料を渡す方がよいことがあります。

自分で選んだ本なら、途中で少し難しいところがあっても、

「自分が読みたいと思って選んだ」

という理由があります。

本を選ぶことも、読書の一部です。

そして、自分で選び、自分で読み、自分の感じたことを書く。

その流れそのものが、読書感想文で育てたい力なのだと思います。

読書感想文の本選びで迷ったら、

「賞を取りやすい本はどれか」

ではなく、

「この子は、どの本なら自分の気持ちを動かせそうか」

という視点で見てみてください。

そこから始めた方が、結果としてその子らしい感想文につながります。

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