夏期講習でできなかった単元|9月に持ち越してよい課題の見分け方

夏期講習が終わりに近づくと、保護者からこんな相談が増えてきます。

「結局、苦手な単元が残ったままです」

「夏休みに復習するつもりだったところまで手が回りませんでした」

「このまま9月を迎えて大丈夫でしょうか」

夏休み前には、時間がたくさんあるように見えます。

算数の苦手単元を復習する。
理科と社会の知識を整理する。
国語の読解もやり直す。

ところが実際に夏期講習が始まると、毎日の授業と宿題だけでもかなりの量になります。

気づけば8月後半。

計画表には、できなかったことがいくつも残っています。

そんなとき、残った課題をすべて夏休み中に終わらせようとすると、かえって学習が崩れることがあります。

大切なのは、全部終わらせることではありません。

9月に持ち越してよいものと、夏休み中に確認しておきたいものを分けることです。

「できなかった単元」を全部同じに考えない

たとえば算数で、

割合が苦手。
速さも不安。
図形も間違いが多かった。

こう並ぶと、どれも復習したくなります。

ただ、「できなかった」という結果が同じでも、中身は違います。

授業を聞いても考え方そのものが分からなかった。

基本問題はできるけれど、応用問題になると解けない。

以前はできたのに、久しぶりに解いたら忘れていた。

時間が足りず、そもそも十分に取り組めなかった。

この違いを見ずに、すべてを「苦手単元」として扱うと、復習するものが増え続けます。

まず確認したいのは、

「できなかったか」ではなく、「どこまでできているか」です。

基本が抜けている課題は、夏のうちに確認する

9月に持ち越すか迷ったとき、一つの基準になるのが「次の学習に影響するか」です。

算数なら、基本的な割合の考え方が分からないまま比や速さの問題へ進むと、後の学習にも影響します。

国語でも、文章の読み方以前に、知らない言葉が多すぎて意味を取れないのであれば、語彙の確認が必要かもしれません。

理科や社会でも、その後の単元を理解する土台になる知識があります。

こうした次の学習の土台になる部分は、夏休み中に最低限確認しておきたいところです。

ただし、単元を最初から全部やり直す必要はありません。

基本問題を数問解いてみる。

授業で扱った代表的な問題を一つ確認する。

「ここまでは分かる」という地点を見つける。

それだけでも、9月からの学習は始めやすくなります。

応用問題まで完成させなくてもよい

一方で、9月へ持ち越してよい課題もあります。

典型的なのは、基本は理解しているけれど応用問題になると解けないケースです。

夏期講習では、普段より多くの問題に触れます。

当然、すべてを一度で身につけられるわけではありません。

難しい問題を解けなかったからといって、

「夏休み中にもう一度全部やらなければ」

と考える必要はありません。

むしろ、理解が浅いまま大量に解き直すより、

「この問題は9月以降にもう一度取り組む」

と決めて残しておく方がよい場合があります。

受験勉強は、一度学んですべて完成するものではありません。

学び直しながら、少しずつできる範囲を広げていくものです。

夏に完成しなかったことと、夏が無駄だったことは同じではありません。

「間違えた問題の数」だけで優先順位を決めない

テキストを見ると、×がたくさんついているページがあります。

保護者としては気になります。

「ここ、全部やり直した方がいいんじゃない?」

そう言いたくなることもあるでしょう。

ただ、×の数だけでは優先順位は決まりません。

難問ばかりのページなら、間違いが多くても今すぐ取り組む必要がないかもしれません。

逆に、基本問題で同じ間違いを繰り返しているなら、問題数が少なくても確認する価値があります。

見るべきなのは、

何問間違えたかではなく、

「なぜ間違えたか」です。

考え方が分からない。

知識を忘れている。

計算ミスが続いている。

問題文を読み違えている。

原因によって、必要な復習は変わります。

9月へ持ち越すなら「残し方」を決める

「これは9月にやろう」

と決めただけでは、結局そのまま忘れてしまうことがあります。

持ち越す課題は、見える形にしておきます。

たとえば、夏期講習のテキストに付箋を貼る。

復習する問題番号だけをノートに書く。

「算数・速さの基本」「理科・電流の確認」のように、単元と課題を短く残す。

ポイントは、9月になったとき、

「夏にできなかったところを全部復習しよう」

とならないことです。

これでは範囲が広すぎて、また手が止まります。

「この3問をもう一度見る」

「この単元の基本問題だけ確認する」

というところまで小さくしておけば、9月の学習へ組み込みやすくなります。

夏休みの終わりに、できなかったことばかり見ない

夏期講習が終わるころ、保護者の目はどうしても「残ったもの」に向きます。

でも、子どもの側には別の景色があります。

夏前には解けなかった問題が解けるようになった。

長い授業にもついていけるようになった。

毎日塾へ通った。

自分から質問できるようになった。

一つの単元を完全に仕上げることだけが、夏の成果ではありません。

できなかった課題を整理するときこそ、

「これはまだできていないね」

だけで終わらず、

「ここまではできるようになったね」

という確認もしておきたいところです。

できた地点が分かれば、次に取り組む地点も見えてきます。

夏休みの学習は、8月31日ですべて完成させるものではありません。

夏に見つかった課題を、9月以降の学習へどうつなぐか。

その整理までできれば、夏期講習で残った課題にも意味が生まれます。

すべてを終わらせて新学期を迎える必要はありません。

今やるべきことを選び、後で取り組むものを自分で残しておく。

それも、長い受験勉強を進めていくために身につけたい力の一つです。

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