夏休みも残り少なくなってくると、机の上に「終わっていないもの」が目立ち始めます。
学校の宿題が残っている。
夏期講習の宿題も終わっていない。
授業で間違えた問題の解き直しもしたい。
できれば、苦手単元の復習も進めたい。
保護者からすると、どれも必要に見えます。
「あと何日しかないのに、こんなに残っていて大丈夫?」
そう思って、つい子どもに確認する回数が増えてしまうことがあります。
ところが、やることが増えるほど、子どもの手が止まることがあります。
夏休み後半に必要なのは、すべてを同じように終わらせようとすることではありません。
まず、残っている課題を整理することです。
「何が残っているか」より「何を残すか」を考える
宿題が終わっていないとき、最初にやりたくなるのは残量の確認です。
学校のドリルがあと20ページ。
読書感想文がまだ。
算数の宿題が3日分。
理科と社会の復習も残っている。
一覧にすると、親も子どもも焦ります。
ここで気をつけたいのは、
残っているものを、そのまま全部「今日からやること」にしないことです。
夏休み前半なら、予定を組み直してすべてを進める方法もあります。
しかし、残り日数が少なくなれば事情は違います。
時間には限りがあります。
だから必要なのは、
「どうすれば全部終わるか」
だけではなく、
「残りの日数で、何を優先するか」
という考え方です。
まず「締切があるもの」を確認する
最初に分けたいのは、提出期限が決まっている課題です。
学校の宿題や提出物は、新学期に提出するものが多いでしょう。
一方、塾の課題はすべてが同じ締切とは限りません。
次の授業までに必要なもの。
テストまでに直しておきたいもの。
時間があれば取り組む発展問題。
同じ「塾の宿題」でも意味が違います。
まず、
「いつまでに必要なのか」
を確認します。
この段階では、難しさや量を考えすぎなくて構いません。
締切があるものと、後からでも取り組めるものを分けるだけでも、頭の中はかなり整理されます。
次に「今やる意味が大きいもの」を選ぶ
締切だけで決めると、学校の宿題を全部終わらせてから塾の復習、という順番になりがちです。
しかし、中学受験生の場合、それだけではうまくいかないことがあります。
たとえば、夏期講習で習った算数の重要単元。
授業中には理解できなかった問題。
何度も間違えている基本問題。
こうした課題は、時間がたってから戻るより、記憶が残っているうちに確認した方がよい場合があります。
そこで二つ目に見るのが、
「今やる意味が大きいか」
です。
提出するために必要な課題と、学習のために今必要な課題。
この二つを分けて考えます。
学校か塾か、という二者択一ではありません。
「この課題は何のためにやるのか」を見ていくと、優先順位がつけやすくなります。
「一人で進められるか」も見ておく
もう一つ、意外と大切なのが課題の進めやすさです。
漢字練習なら、一人で進められる。
計算問題も、自分で取り組める。
ところが算数の解き直しは、解説を読んでも分からない。
作文は、何を書けばよいか決まらず止まっている。
この違いを考えずに、
「今日はこれとこれを終わらせよう」
と決めても、予定どおりには進まないことがあります。
一人で進められる課題は、子どもが比較的動きやすい時間に置く。
助けが必要な課題は、保護者が見られる時間や、塾で質問できるタイミングに合わせる。
課題の量だけではなく、誰の助けが必要なのかまで見ると、計画が現実的になります。
「全部終わらせる」が子どもを止めることもある
宿題がたくさん残っていると、
「今日はできるところまで頑張ろう」
と言いたくなります。
ただ、子どもからすると「できるところまで」には終わりがありません。
机の上には、まだ大量の課題が残っています。
一つ終わっても、
「次はこれ」
と言われる。
それが続くと、始める前から気持ちが重くなる子もいます。
そんなときは、一日の最低ラインを決めます。
学校のドリルを5ページ。
算数の直しを2問。
漢字を10分。
ここまで終われば、まず今日の最低ラインは達成。
余力があれば、その先へ進む。
この方が、子どもにとって終わりが見えます。
夏休み後半は、予定を増やすより、今日どこまで進めばよいかを見えるようにすることが大切です。
終わらなかった課題を翌日に全部乗せない
計画を立て直しても、予定どおりに進まない日はあります。
そこで、
「昨日できなかった分も今日やろう」
とすべて上乗せすると、翌日の予定はさらに重くなります。
そしてまた終わらない。
その繰り返しで、計画そのものが苦しくなっていきます。
終わらなかった課題が出たら、もう一度優先順位を見ます。
明日必ず必要なのか。
数日後でもよいのか。
9月に持ち越せるのか。
そもそも今の子どもに必要なのか。
予定から外すことも、計画を立てることの一部です。
夏休み後半は「終わった量」だけを見ない
夏休みの終わりが近づくほど、保護者は「どれだけ終わったか」が気になります。
もちろん、提出物を終わらせることは必要です。
ただ、中学受験の学習では、課題をすべて消化することだけが目的ではありません。
何を優先するのか。
どこまでなら今日できるのか。
分からないとき、誰に助けを求めるのか。
終わらないとき、どう組み直すのか。
こうした判断も、子どもがこれから学習を続けていくために必要な力です。
親が全部の順番を決めてしまえば、その日は早く進むかもしれません。
けれど、ときには、
「これはいつまで?」
「今やっておいた方がいいのはどれだと思う?」
と一緒に整理してみる。
宿題が終わらない夏休み後半は、親にとっては焦る時期です。
でも、残った課題をただ減らすだけではなく、子どもが自分の学習を整理する経験に変えることもできます。
すべてを予定どおり終えることより、残ったときにどう立て直すか。
中学受験では、その力も少しずつ育てていきたいものです。
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